WEBディレクターの視点で、WordPressのテーマ「micata2」をレビューします。
micata2(ミカタ)は、基本無料のテーマです。
フッターのクレジットを削除したり、一部の高度な機能を使うには、「有料版micata2pro」を購入する必要があります。
今回は、以下の気になる部分について解説していきます。
- 機能、デザインは?
- SEOには強い?
- WordPressのカスタマイズ性は?
- どんなサイトに向いている?
- WEBの知識がなくてもデザインできる?
micata2は、デザインのカスタマイズ性に優れ、「企業や店舗のホームページ」に適した作りだと使ってみて分かりました。
一部でユニークな機能も揃えられています。
そんなmicata2を徹底的にレビューします。
WordPressテーマ「micata2」とは
micata2のテーマは、店舗や企業のホームページに特化しているのが特徴です。そしてブログとしても使えます。
同系統のテーマに、ブログやアフィリエイトサイトに特化したAffingerというテーマもあります。
micata2は、店舗・企業ホームページに、ブログを足したようなイメージが分かりやすいと思います。
この作りは、ホームページで効果を得るのに優れています。
大きなメリットとして、WordPressの管理画面からデザインをカスタマイズしやすい仕様になっています。
カスタマイズ項目が、目次でまとめられているのが素晴らしいです。
micata2のテーマは、HTMLやCSSなどWEBの知識がない方にオススメです。
WEBの知識がなくても、幅広いデザインのカスタマイズができるようになっています。
もちろんWEBの知識がある方も、カスタマイズはしやすい部類なので安心して使えます。
ダウンロード先とテーマの利用について
以下の公式サイトより、無料でダウンロードできます。利用規約を読んでからダウンロードしましょう。
無料版micata2と、有料版micata2pro、AFFINGER4proとの違いも、こちらのページにまとめられています。
子テーマも一緒にダウンロードできるので、テーマのカスタマイズをするのにはありがたい配慮です。
子テーマが何かについては、こちらの記事をご参考ください。
フッターのmicata2クレジットの削除について
無料版のmicata2テーマは、サイトのフッターに「2017 AllRights Reserved Powered by micata2.」とクレジットが付きます。
これを削除するには、有料版micata2proを購入する必要があります。
CSSなどで削除するのは、規約違反になりますのでご注意ください。
店舗や企業などで使用する場合は、テーマ自体も安いのでmicata2proを購入した方が良いでしょう。無料版で試してからの購入をオススメします。
デザインのカスタマイズ性はチェック
micata2のテーマは、HTMLやCSSなどの知識がなくても、幅広いデザインのカスタムができます。
これが一番のメリットと言っても良いでしょう。
サイト全体のレイアウトから細かい設定まで、WordPressの管理画面からカスタマイズを適用できます。
例えばサイト全体をサイドナビのない1カラムに変えたり、ヘッダー部分の細かな設定もチェックするだけです。
デザインのカスタム方法やコツは、公式サイトを参照した方が充実しています。
幅広いデザインに対応している
micata2には、「オリジナルテーマカスタマイザー」というデザインを個別に設定するモードがあります。
幅広く柔軟にデザインを変更できるので、他のサイトと見た目が被るのを防ぐことができます。
画像さえ用意できれば、見栄えのよいホームページが作成できます。
micata2独自の機能に、記事ページ・固定ページのカラム変更があります。
1カラムにすると、記事ごとに右ナビを消すことができます。
LP化はさらにヘッダーも消えます。回遊させたくないクロージング目的のページです。
これは企業サイトなどで、自社サービスの魅力を伝え、回遊させずにそのまま契約や問い合わせ、資料請求などへ誘導するのに使います。
他のテーマと比べても、ここまで手軽にデザインを変えられるテーマは少ないと思います。
WordPressさえ使えれば、他のホームページ制作ソフトの代わりにもなるでしょう。
ホームページの戦略に優れた設計
micata2のテーマは、企業や店舗のホームページを活用する上で、戦略に優れている点が多く見られます。
ホームページの結果に貢献する設計思想が感じられます。
店舗・企業に必要な電話番号を、目立つ場所に追加できるのも、素晴らしい点です。
ホームページの効果を上げやすい理由
企業や店舗のホームページは、ホームページ作成ソフトで作っても効果は上がりにくいと言えます。
ほとんどの人が、ホームページに「必要最低限なページ」しか作らないからです。
例えば店舗案内、メニュー、お店の特長、スタッフ紹介、スタッフ募集、地図あたりですね。
これではお店の魅力を十分伝えられないだけでなく、Googleなどの検索から来訪する人も期待できません。
もちろんGoogle MAPに登録することで、地元の商圏なら検索結果に露出すると思います。
それでも新規来店の動機付けになるほどの魅力を伝えるのは難しいでしょう。
せっかく獲得したファンも、ホームページが更新されなければ離れていく恐れがあります。
それらの問題を解決するのが、店舗・企業ブログです。
ホームページの内部にブログがあれば、記事を簡単に増やすことができます。
ブログサービスと連携する必要もありません。
更新頻度を上げることで魅力を伝えつつ、ホームページの鮮度を維持することができます。
ブログがあることで検索流入を期待できる
近年では粗悪な「キュレーションメディア」や「まとめサイト」が検索流入を根こそぎ持って行くことが増えています。
間違った医療情報などを掲載し社会問題にもなりました。
そんな状況でも、いまだにブログは検索流入を期待できる集客装置と言えます。
もちろん検索ニーズにあった内容を書くことが前提です。
WordPressでサイトを作るメリットでもあり、それに答えるようにmicata2のテーマは設計されています。
検索ユーザーは、知りたい情報のある記事に訪れます。そこからトップページや、他の記事に回遊するのを狙います。
micata2のテーマを使えば、検索から訪問してきたユーザーに回遊してもらう施策が最初から実装されています。
専門家のブログは保護される
商売が成り立っているだけに、店舗や企業は専門性の高いブログを書くことができます。
粗悪な「キュレーションメディア」や「まとめサイト」は、そういった専門家が書く記事を書き直しているだけです。
専門家が記事を生産しなければ、情報源を失うので成り立ちません。
インターネットから専門家が消えれば、ネット検索もされなくなるでしょう。
Googleは専門家の信頼できる記事を残すように改良を重ねることになります。
ユーザーも信頼できる記事を参考にしたいので、今は粗悪なメディアに検索流入を取られても、いずれは信頼できる記事が残る運命にあります。
さらにブログを書いているユーザーも、専門家の信頼できる記事にリンクを貼ろうとしますので、検索流入も期待できます。
検索流入を見込むなら、やはり企業・店舗のホームページにはブログ機能が必要です。
機能が優れている点
micata2のテーマは、機能面でも優れています。
管理画面から様々な機能を追加・変更することができます。
WordPressを企業・店舗のホームページに使う場合は、以下のサイト構成になります。
固定ページと投稿ページを任意の場所に表示させ、それぞれの機能を分けるにはWordPressでプログラミングをする必要があります。
micata2のテーマにはこれらが盛り込まれているので、難しいプログラミングを開発する必要がありません。
micata2のテーマでは、固定ページをヘッダーメニューにしたり、投稿のカテゴリーをサイドメニューにしたりと、管理画面から簡単に設定できます。
トップページにだけ設置できるコンテンツも用意されています。
お知らせとして、任意のカテゴリーの記事を出すことも可能です。
このあたりの機能をWordPressでゼロから作ると、開発コストが多く掛かります。
micata2のテーマは汎用性が高く、店舗や企業に必要な機能が多く盛り込まれています。
SNSボタンを標準装備
micata2のテーマには、最初からSNSボタンが実装されています。
WordPressのプラグインなしで実装ができるので、初心者でも簡単にSNSボタンが設置できます。
SEOに強い作り
よほどのことがない限り、SEOに弱いテーマは存在しないのですが、micata2のテーマもSEOに配慮してあって安心です。
タイトル、メタキーワード(書かなくてもよい)、ディスクリプションはプラグインなしで挿入可能です。
テーマで対応しているのは珍しいのですが、記事ごとにリダイレクトする設定があります。
リダイレクト(URLの移動)は、本当に必要なときだけ設定しましょう。
記事を消す目的でリダイレクトをしてはいけません。
また、sitemap.xmlに記載したページをリダイレクトしないように気をつけましょう。
リダイレクトの知識を学んでから使用します。
また、記事ごとのnoindex設定もあります。
パンくずは構造化・リッチスニペットに対応
micata2のテーマは、開発に手間の掛かるパンくずが自動で設置されるようになっています。
パンくずは構造化にも対応しているので、検索結果にパンくずのリッチスニペットが出てくるようになります。
現時点で、電話番号は構造化データになっていないようです。
著作権侵害を防止する機能
micata2には著作権侵害を防止するユニークな機能があります。
テキストの選択を禁止させて文章のコピーを防ぐのと、アイキャッチ画像にクレジットを挿入することができます。
どちらも完全に防ぐことはできませんが、粗悪な「キュレーションメディア」や「まとめサイト」から記事の盗用を少しでも防ぐための機能が備わっています。
レスポンシブウェブデザインに対応
micata2のテーマは、標準でレスポンシブデザインに対応しています。
URLを変えずにモバイル専用ページを表示するので、canonicalタグを使ってURLを正規化する必要がありません。
canonicalタグについてもっと知りたい方は、以下をご参考ください。
AMPは有料版にて対応
AMPに対応したマークアップ(HTMLコーディング)をすれば、モバイル表示が高速化できます。
無料版ではAMPに対応していませんので、有料版micata2proを購入する必要があります。
自分でするには手間の掛かる作業なので、micata2proを購入しても良いでしょう。
私はモバイル表示速度がそれほど気にならなければ、無理にAMP対応する必要はないと感じています。
子テーマのカスタマイズがしやすい
micata2は、子テーマが最初からダウンロードできるだけあって、カスタマイズもしやすい作りです。
テーマフォルダ内のファイル数が多い分、それぞれのファイルが何の機能なのか分かりやすくなっています。
Simplicity2という無料テーマと同じく、functions.phpの関数が上書きできる仕様になっています。
WordPressの子テーマによる関数の上書きは、ややこしい法則がありますので以下の記事もご参考ください。
テーマをカスタマイズする人にとっては、これが本当に重要です。
一部の有料テーマでは、この関数の上書きができないためにカスタマイズをあきらめることがあります。
functions.phpの中も分かりやすいです。全体的に初心者でも理解しやすいコードで書かれていました。
まとめ
micata2のテーマは、WEBコーディングの知識がなくてもデザインがカスタマイズできるのが特長です。
ここまで管理画面でデザインできるテーマも珍しいかもしれません。
管理画面の設定項目は多いですが、マニュアルのように補足の説明がついているので全体的に親切な作りです。
さらに子テーマでのカスタマイズもしやすいので、WEB経験者は迷うことなくサイトを構築できるでしょう。
これからWordPressのカスタマイズを勉強したい初心者にもオススメできます。
ブログやアフィリエイトサイトだけなら、同系統のAFFINGERや他のテーマが候補になると思います。
これは私の感想ですが、WordPressのテーマが本格的に店舗のホームページに使えるようになってきたと感じました。
店舗経営者が自力でホームページを運営したいというニーズには、ホームページ制作のWEBサービスよりも期待に応えられるかもしれません。
そういった方々には、間違いなくmicata2のテーマはオススメできます。
以上、WEBディレクター&デザイナーの視点で使い倒しているmicata2のテーマをレビューしました。