雨女・雨男がいる理由を、いろんな視点から説明します。
スピリチュアルでいえば、雨女・雨男には、良い面の解釈しかないので安心してください。
しかし、自分は雨女・雨男だと、本気で悩む人もいます。
この記事では、雨女・雨男になるメカニズムを解明します。
また、関連する神社や映画作品なども紹介します。
なぜ雨女・雨男がいるのか?
例えば、沖縄への旅行で雨が降ったときのことです。
もちろん、雨女や雨男が沖縄に行かなくても、その日の沖縄は雨です。
「雨女や雨男なんて、単なる迷信ではないか」と、キッパリ否定しようにも、事態はそれほど単純ではありません。
確証バイアスが雨女・雨男を生む
人間の脳は、自分の仮説が合っていたとき、重要なことのように思い込みます。
つまり「当たったパターンだけ」を記憶に残していくのです。
また、自分の信念に合っていると、事実と認識してしまいます。
これを確証バイアスと言います。
確証バイアスは、誰にでも起こります。
科学者や警察官ですら、自分の意志とは関係なく、都合の良いデータを集めてしまうのです。
人間は、出来事の意味を探し求めるとき、十分な情報がなければ、信念に基づく推測で埋めていきます。
そうやって完成された「不確かな情報」に対し、ゆるがないほどの自信を抱いてしまいます。
これらの偏った思考を認知バイアスと言います。
確証バイアスも、認知バイアスのひとつです。
アメリカでは、警察官の誤認逮捕や、嘘の証言による有名司会者の降板など、確証バイアスが大きな問題に発展した事例もあります。
占いにしても、似たような現象が起きます。
自分にも当てはまることが混じっているだけで、当たっていると納得してしまいます。
実際は、誰にでも当てはまるようなことを言われているだけなのに、信用してしまうのです。
これをバーナム効果と言います。
雨か晴れかは、必ずどちらかに当てはまります。
誰にも当てはまることで、社会に蔓延しやすくなるのです。
これが迷信の生まれるメカニズムです。
世の中には、無視できる迷信と、無視できない迷信が混在します。
確証バイアスとバーナム効果により、雨女・雨男が生まれるのです。
雨女・雨男もしくは晴れ女・晴れ男になる過程
次は、雨女・雨男が生まれる過程を説明します。
以下のような体験で、雨女・雨男になる可能性があります。
- 3回以上、旅行で雨が降った
- 写真を整理していたら、10回の旅行のうち、そのうち3回は雨だった
- 他人に雨女・雨男だと言われた
- 大切な日(結婚式、初デート、卒業旅行など)に雨が降った
3の法則
人間は、3回以上当てはまることで、信じ込むようになります。
子どもが親に、携帯ゲーム機をねだるときの「みんな持っている」は、クラスメイトが3人持っていれば「みんな」と認識するのです。
10回の旅行のうち、3回は雨だったとしても、確率より回数を優先してしまいます。
日本の場合、年間100日以上(3〜4日に1回)は雨が降るのですから、数字で見ると、よく当てはまると気づきます。
脳は、数字を直感で理解することが、苦手だからです。
論理的でないものは受け入れてしまう
人間は、真っ向から論理的に言われると、反抗したくなります。
しかし、スピリチュアルな考えは、受け入れる隙を与えてしまいます。
他人に雨女・雨男だと言われた場合、半分は疑いながらも、事実確認しようがないものは、妙に納得してしまうものです。
スピリチュアルなものは、特殊な能力とも言えますので、悪い気がしないのかもしれません。
大切な日の天気をコントロールしたい
天気のような自然現象は、人間がコントロールできないものです。
しかし何とか、天気をコントロールしようとしたのが「雨乞い」や、「てるてる坊主」の習慣です。
これをコントロール幻想バイアスと言います。
どうにもできない事象であっても、人間はコントロールしたいのです。
そして、晴れ男や、晴れ女といった法則を見いだします。
大切な日であれば、コントロール幻想バイアスは、強化されます。
古来から雨乞いは、農作物(食糧)の収穫が目的でした。
人々の「生存に関わる儀式」だったのも、うなずけます。
エピソード記憶による印象強化
大切な日に雨が降った場合、脳に強く印象として残ります。
エピソード記憶と呼ばれるもので、不快だったり幸福だったり、感情を揺さぶる記憶は、定着しやすいのです。
これは、雨、不快、結婚式、残念などの記憶同士が結びつくことで、忘れにくい強固な記憶となります。
これらは脳の習性です。
ある物事を迷信だと否定しても、別の物事は、信じてしまうのが人間です。
脳がそうできているのですから、オカルト信仰と言って、他人を見下す行為はいけません。
(科学者にも、バイアスがあります)
雨女だと本気で悩んでいる人への対応
私は以前、複数の友人と、屋久島への旅行を計画していました。
世界遺産の屋久島は、雨が多いことでも有名です。(年間降水量は東京の2倍以上)
一緒に旅行する予定だったAさんは、自身を雨女と言います。
ただでさえ、雨の多い屋久島です。
誰が旅行しても、屋久島の天気が変わることはありません。
気にする必要もないはずですが、Aさんの悩みは深刻でした。
Aさんは、お祓いに行こうとしていたのです。
(有名な場所では、気象神社というのが東京都杉並区にあります。)
結局、「そこまでしなくてもいい」という話になりました。
この時点で、Aさんの悩みは、本人にとって深刻だと分かりました。
みんなが思っている以上の悩みです。
世の中には、スピリチュアルなことでも、本気で悩んでいる人がいるのです。
論理的に否定してはいけない
雨女だと本気で悩んでいるAさんに対して「なぜそんなオカルトを信じ込むのか」という否定的な態度で接してはいけません。
どんなに脳の習性だろうと、本気で信じていて、本気で直したいと思っているのです。
他人を真っ向から論理的に否定すると、否定された方は反抗したくなるのです。これも脳の習性です。
お互いの関係を崩しかねないだけでなく、Aさんにとっても良いことがないのです。
さらに言えば、否定する側は、教えてあげて良いことをしたと勘違いし、脳が快楽を得るのです。
いわゆる余計なお世話は、相手にとって不快でも、自分にとっては快楽に変わるのです。
これでは自分だけが得をして、ショックを受けたAさんは損をしてしまいます。
悩んでいる人への対処は肯定すること
雨女・雨男だと本気で悩んでいる人には、否定ではなく、肯定のスタイルで話を聞くことです。
日本古来から伝わる、以下の言い伝えを使いましょう。
- 雨女・雨男は龍神様の自然霊に守護されている
- 龍神様は自然霊の中でも高級な存在
- 龍神様が雨を降らせるのは、悪いものからあなたを守るため
- 晴れ女・晴れ男は稲荷様の自然霊に守護されている
これらのことは、実際に言い伝えとして残っていますので、スピリチュアルな世界では正しいのです。
つまり、間違いとも言えないものです。
また、雨というのは、農作物を育てる人間にとって、古来からありがたいものです。
雨をうっとうしく思うのは、生存に反するとも言えます。
東洋的な考え方を使って、雨を受け入れてもらう方が、Aさんにとっても、みんなにとっても良いでしょう。
龍神様の守護は良いこと
日本古来の言い伝えを使えば、Aさんは龍神様に守護されている羨ましい存在です。
「せっかく龍神様に守られてるんだから、お祓いしたり直したりしなくて良いと思う」
雨女だとしても、悩む必要はないのです。
雨女・雨男の科学的な推論は存在するか
現時点では、雨女・雨男に関する有効な研究結果は見当たりません。
また、雨乞いや天気をコントロールする儀式についても、論文は見当たりません。
そして気圧の低下を感知する遺伝子も見つかっていません。
ただし気圧低下による頭痛などの症状はあります。
例えば「気圧が低下している(雨が降りそうな)日に限り、行動を起こす人がいる」ということが実証されたなら、雨女・雨男が存在することになります。
そのような研究報告は、今のところ見当たりません。
だいたいの現象は、研究がされているはずですから、雨女・雨男が今後も実証されるのは難しそうです。
どちらかと言えば、確証バイアス、バーナム効果、コントロール幻想バイアスなどの心理効果により、雨女・雨男が生まれたと考えるのが自然です。
アマガエル(雨蛙)の性質
カエルは雨が降る前に鳴くと言われています。
雨はカエルにとって、直接生命に関わる自然現象です。どうやらカエルは気圧の低下を感知できるようです。
日本雨女雨男協会という団体がある
日本雨女雨男協会は、全国の雨女・雨男が集まって、砂漠に雨を降らそうという壮大なプロジェクトをもつ団体です。
また、香川県などの渇水被害が多発する地域へ行って、雨を降らせる活動などをしています。
本気で雨女・雨男に悩んでいる人にとっては、自分たちの能力が人助けになるという素晴らしい活動です。
下記ページにて、活動参加へのエントリーが記載されています。
まとめ
私の経験上、社員旅行の前には必ずと言っていいほど、雨女・雨男の話題になります。
Aさんが雨女だから……でもBさんはもっと晴れ女だから……。
このような話でいつも盛り上がります。
やはりスピリチュアルな話って、妙な納得感もあって楽しいものですね。
しかし、中には本気で悩んでいる人がいるのも事実で、真っ向から否定することはコミュニケーションを否定することにもなります。
そんな中、悩みを人助けに変える日本雨女雨男協会の活動は素晴らしいものがあります。
雨女・雨男を直す必要はないというのが、私の出したひとつの結論です。
私は自称、晴れ男です。
スピリチュアルな解釈では、稲荷様に守護されているようです。
稲荷様の守護を受けている人は、真面目で飽きっぽいそうで、やっぱり言われてみると当たっています。
旅行で雨が降ったときには、カメラを取り出さないので、晴れか曇りの写真しか持っていません。
雨の写真を見ないから、晴れ男だと思うのが本当の理由かもしれませんね。
さて、最後に雨女・雨男に関するデータをまとめました。
気象に関係する神社もあるので、興味のある方はどうぞ。
気象にまつわる神社
気象神社(氷川神社境内末社)
日本で唯一、天気の神様をまつると言われている神社。
お天気の神様として日本唯一の存在である気象神社は、晴・曇・雨・風・雷・霜・雪・霧などを祈願する神として、知恵の神である「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」が祀られています。
出典元:日本の唯一天気の神様を祭る「気象神社」とは?
所在地:東京都杉並区高円寺南4-44-19
アクセス:JR中央線、高円寺駅下車、南口から徒歩4分
サイト:気象神社
貴船神社
高龗神 (たかおかみのかみ)、つまりは龍神様をまつる神社。
水を取り扱う飲食店など、商売の神様として有名。また、縁結びの神様としての信仰もある。
所在地:京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
アクセス:叡山電車「貴船口」駅から、京都バスに乗り換えて「貴船」にて下車し、およそ徒歩5分。
サイト:貴船神社
雨女・雨男に関する作品
雨女(映画)
「呪怨」シリーズの清水崇監督が手がける35分のホラー映画。
体感型上映システム「4DX」にて上映。この映画はホラー映画のため、都市伝説として雨女が描かれている。
2017年3月時点でDVDやブルーレイでの販売はされていない。
4DXとして作られたこの作品は、映画と言うよりアトラクションと言えます。そのためか、DVD化はされないのかもしれません。
公式サイトにも「観られるのは劇場だけ」との記載があります。
雨女の恩返し tutumikko 2014 LIVE [DVD](音楽のLIVEビデオ)
1970年代から活躍しているシンガーソングライター太田裕美のライブDVD。
小説
- 雨女 (光文社文庫) 泡坂妻夫の本格ミステリー小説
- 或る雨をんなの肖像 石川達三
- 朝雨女のうでまくり 佐藤 愛子
その他
- 鳥山石燕の今昔百鬼拾遺(妖怪画集)に、雨女の画が描かれている
- 子どもに人気の「妖怪ウォッチ」には、水に関する術を使う妖怪に雨女がいる
- 同じく「妖怪ウォッチ」には、火に関する術を使う妖怪に晴れ男がいる
- 英語に雨女はなく、英語圏には雨女という概念はなさそうです
参考文献
この記事は以下の文献を参考にし、独自の解釈で記載しています。参考にした本の内容とは異なります。
- 認知心理学 (New Liberal Arts Selection)
- 脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議
- 自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)