【バイアス】あなたが知るべき13の認知バイアス(人生に役立つものだけ)

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認知バイアスのイメージ

あいつは、自分を客観的に見ることができない。

よく聞くフレーズです。
こういった思考は、認知バイアスと言います。

認知バイアスとは、人間なら誰にでもある「思考の偏り」です。

人間の脳は、自分の能力を高く見るのに、相手の能力は低く見る傾向があります。
「ダニング=クルーガー効果」という認知バイアスです。[※1]

脳は「自分を客観的に見ること」が苦手です。
そもそも野生の動物は、自己を認識することなく生きているのです。

「いやいや、私は客観的に自分を見てるよ」
「あいつは自分を客観的に見ないから問題なんだ」
冒頭のよく聞くフレーズ、これこそがダニング=クルーガー効果です。

これらは人生において「絶対に知っておいた方が良いバイアス」です。
冷静になって、他人を見ることができます。
そして、自分にも「思考の偏り」があるものと気づけます。

この記事では、数あるバイアスの中から「人生に役立つものだけ」をピックアップしました。
すべて科学的な研究によるものです。

ダニング=クルーガー効果

OKのイラスト

能力の低い人は自己評価が高い

冒頭でも触れたダニング=クルーガー効果について、詳しく説明します。

  1. ※ダニング=クルーガーは研究者の名前

厄介な認知バイアスです。

「自己と他人を評価する」というダニング=クルーガーによる実験では、以下のことが判明しました。

  • 能力の低い人は、自分を過大評価する
  • 能力の高い人は、自分を過小評価する

下図のように、下層にいるグループは、自己の能力を平均以上だと思い込んでいます。

ダニング=クルーガー効果

能力が高い人ほど、謙遜(けんそん)します

「井の中の蛙」という言葉があります。
能力の低い人は、単に未知なだけです。

「努力しても評価されない」
というのは、ダニング=クルーガー効果かもしれません。

自分はできると思い込むのは、モチベーションとして働きます。
しかし「評価されない」から、勉強や練習を辞めてしまうこともあります。

そういう時は、このグラフを思い出しましょう。

自己奉仕バイアス

床を拭くイラスト

自分のミスは他の原因を探します

(あー、もう、何やってるんだか!)
Aさんがコップを落として、割ってしまいました。
あなたは以前から「Aさんはドジなところがある」と思っています。

後日、あなたはAさんの前で、コップを落としてしまいました。
すぐ頭に浮かんだのが「机の端にコップを置かれたから」です。

これが自己奉仕バイアスです。[※3]

他人のときは「他人に原因がある」と感じ、自分のときは「外的要因がある」と感じることです。

Aさんのことを「以前からドジなところがある」と思っているだけに「Aさんは待ち合わせに遅刻するかもしれない」などと決めつけるようになります。
実際は、そんなことがないにも関わらずです。

自己奉仕バイアスは、非常に厄介です。
「自分のことを棚に上げられる」からです。
他人からも嫌われてしまいます。

せめて自分だけでも、自己奉仕バイアスに囚われないよう意識したいものです。

根本的な帰属の誤り

待ち合わせにイライラするイラスト

事実よりも他人の性格を疑います

前項「自己奉仕バイアス」の続きです。

待ち合わせ時間の数分前、まだAさんは来ていません。
このとき「やっぱりAさんは、そういうところがある」と感じてしまいます。

これは「根本的な帰属の誤り」という認知バイアスです。[※4]

他人の行動や振る舞いが「性格に由来する」と信じてしまうのです。
本当に電車が止まっていたとしても、「外的要因よりも先に」性格を疑ってしまうのです。

さて、いつも待ち合わせの15分前にやってくる「Bさん」がいます。
誰もがBさんは、几帳面だと決めつけています。
実際は「時間を守る人」に、「几帳面な傾向」はありません。

「根本的な帰属の誤り」は、非常に厄介な認知バイアスです。
Aさんが時間を守り続けても「どこかで破るかもしれない」と、疑い続けるからです。
そのあいだ、自分のミスには寛容なことに気づいていません。

確証バイアス

傘をさす女性のイラスト

たまたま雨が続いただけで「雨女」と思い込みます

「A型の男って細かくて面倒くさい」
もちろん「血液型による性格の傾向」に科学的な根拠はありません。
典型的な確証バイアスです。[※5]

雨女・雨男を信じてしまうのも、この確証バイアスです。

たまたま自分の仮説に一致しただけです。
それなのに重要視してしまいます。

人間の脳は、理由を求めます。
知りたいという欲求と、知ることで得られる快感が欲しいからです。

困ったことに、この確証バイアスは強力な上に、誰にでも見られる傾向です。
誰だって「見たいものを、見つけようとする」からです。

冒頭の「A型の男」については、どんな証拠を持ち出しても、信じてもらえない場合があります。
それほど強力に作用するからです。

確証バイアスは、えん罪をも引き起こします。

「人は誰でも『欠陥のある刑事』になる可能性があり、バイアスのない証拠を集めるのは容易ではない」[1]

  1. (世界トップレベルの)法心理学者ピーター・ファン・コッペンの言葉

人間の脳は情報がなければ、その隙間を埋めようとします。
もっともらしい物語ができれば、信じられないほどの自信を抱きます。

後知恵バイアス(後見バイアス)

天狗になる女性のイラスト

「ね、そうなるって言ったでしょ?」

予測するのが不可能だったことに対して「ああすれば良かった」と後悔することがあります。
後知恵バイアスと言います。[※6]

もともと選択肢に入っていなかったり、あたかも「自分が判断できた」と感じてしまいます。
後出しジャンケンのような思考です。

  • 私が言った通りになった
  • そうなるって思ったよ

上記のようなことを言う人は、このバイアスに気づいていません。

もし言ってしまったら、ひと言だけ加えましょう。
「まあ後だから言えるんだけどね」と言うだけで、随分と印象が変わります。

信念バイアス

NGのイラスト

結論が違うだけで人格まで否定します

信念バイアスは「結論が妥当であれば、その議論や過程までも正しい」と誤認する思考のクセです。[※2]

つまり「議論や過程」を評価することができません。
私たちの社会は「過程」の評価も大切です。

このバイアスが怖いのは「結果が良くなければ、過程も否定される」ことにあります。
「負けたのは日頃の練習不足だからだ」といった具合にです。(負けた本人が言うのは構いませんが……)

相手は「あんまり練習してなかったけど、ラッキーで勝ってしまった」と思っている場合もあるのです。
(もちろんスポーツの世界は、練習が大事だという前提として)

それどころか、結論が間違っているだけで、その人の人格さえも否定してしまいます。

繰り返しますが「過程」の評価も大切です。

ハロー効果

恋をする女性のイラスト

外見に惹かれます

人は見た目に左右されます。
ハロー効果と言う認知バイアスです。[※7]

さわやかなイケメンは、性格もさわやかに思えてしまいます。
そもそも第一印象では、情報量が少なすぎます。
人間の脳は、情報量が少ないなら、その隙間を埋めようとします。
「さわやかなイケメン男性」に騙された経験でもなければ、自分が好むように脳を修正します。

逆ハロー効果

ハロー効果が、逆に作用することもあります。

美しい女性が窃盗を犯しました。
警察官は「何か事情があったのだろう」と脳を勝手に補完して、罪が軽くなってしまいました。
(これは通常のハロー効果です)

一方で「逆ハロー効果」は、罪が重くなるパターンです。

美しい女性が、詐欺を犯しました。
この場合は「自分の外見を武器にして人を騙すなんて」と、罪が重くなってしまいました。

外見に関わる犯罪や、外見を利用してモラルのない行為をすれば、人に与える印象が悪くなってしまうのです。

評価のハロー効果

ハロー効果は、第一印象だけではありません。

普段から熱心に仕事をしていると、上司はプラスの評価をします。
その人が、他者よりも低い能力だったとしてもです。

外部誘因バイアス

お金を持つ女性のイラスト

他人は「お金のために行動する」と思い込みます

自分の動機は不純ではなく、他人の動機は不純だと判断してしまう。
これは外部誘因バイアスです。[※8]

  • 自分が行動する動機は、スキルアップや人のため。
  • 他人が行動する動機は、金銭や名声のため。

他人の動機を評価するとき、こういった間違いが起こります。

集団のピグマリオン効果

あわてる女性

最初は「私にはムリ!」と思っても……

ピグマリオン効果は「先生が期待している生徒ほど(丁寧に教えるので)成績が良くなる」というバイアスです。
先生側は「特別扱い」に気づけません。

ピグマリオン効果自体は、実験内容の精度が高いとは言えず、批判も多いバイアスです。

この記事では、リーダーと従業員の心理効果について説明します。
ピグマリオン効果にもとづく実験のため、この記事では「集団のピグマリオン効果」と呼ぶことにします。
批判の多いピグマリオン効果とは、別のバイアスです。

リーダーは期待されると、リーダーとして行動する

一般社員がリーダーに対し「期待すればするほど」、リーダーは「期待に応える」よう行動するようになります。[※9]

「私にリーダーなんて無理」と言っていた人でも、実際になればリーダーとして活躍できたりします。
もしかしたら、自主的にリーダーになる人よりも、みんなが選んだ方が良いのかもしれません。
(私もそれで上手くいった経験があります)

逆にリーダーも、一般社員に対し「期待」をすることで、組織は良い方向に機能します。

率先してリーダーになる人は、動機が別にあったりするのです。
「お金持ちになりたいから社長をしている」
そのようなリーダーには、誰もついて行きたいと思わないでしょう。

情報バイアス(心理学の)

悩む女性のイラスト

無駄に選択肢を集めてしまいます

情報バイアスは、あきらかに不要な情報も(必要だと思い込んで)集めてしまうことです。[※10]
情報過多となってしまい、「効率の良い判断ができない」というデメリットがあります。

意志決定には、材料(情報)が必要です。
しかし材料が多すぎると、正しい決断ができなくなります。
情報バイアスは、不要な材料でも集めてしまうのです。
(まるでバーベキューの食べきれない材料のように)

これは意志決定が不安だからです。
そして自分は「取捨選択ができる」と信じてしまいます。
実際は、効率が悪かったり、最適な決定ができていません。

可用性ヒューリスティック

怠ける女性のイラスト

意思決定を怠けます

可用性ヒューリスティックは、意志決定を怠ける傾向です。[※11]

意志決定を怠けるとは?

例えば「直近のニュース」から、自分の判断を決めてしまうような思考の偏りです。
情報操作にも使われます。

  • 最近Aさんが遅刻をしましたが、A部署(Aさんのいる)をどう思いますか?
  • 最近Aさんが顧客から表彰されましたが、A部署(Aさんのいる)をどう思いますか?

上記の例は、両方とも事実とします。
Aさんという「直近の情報」が、回答を左右します。
前者だと「たるんでいる」とか、後者だと「見習いたい」などに、偏ります。

また、ボーナスの査定前にミスをすると、このバイアスが働いてしまいます。

新しい情報は、人間の直観を操作します。
情報を流す順番によって、思考を偏らせます。

意志決定は疲れるものです。誰もが直観で怠けたいのです。

正常性バイアス(正常バイアス)

お茶を飲んでくつろぐ女性のイラスト

目の前の危機でも疑います

会社に非常ベルが鳴り響きます。
ほとんどの人は、機器の検査だと思います。
学校であれば、イタズラを疑います。

これらには、正常性バイアスが働いています。[※12]

Youtubeなどで、実際の災害や事件を見ると分かります。
警報が鳴る初期段階では、人々が歩きながら移動しつつも、本当かどうか疑っているようです。

実際の災害よりも、訓練やイタズラ、誤報などを経験しているからです。
また、捕食の危機に迫った動物が「下手に動かないことで、難を逃れるから」という説もあります。

いずれにしても、重要な認知バイアスです。

タイタニック号の沈没、第二次世界大戦のポーランド侵攻。
このような生死に関わることでさえ、実際はないだろうと軽視してしまいます。

バイアス死角

階段から落ちる女性のイラスト

「私は大丈夫」と思っていても……

最後に盲点とも言える「バイアス死角」を紹介します。

バイアス死角とは、他人のバイアスを認識しているのに、自分のバイアスには気づけないことです。[※13]

バイアスは悪いもの。誰もがそう思います。
それだけに、自分のバイアスに気づく方法がありません。

(気づけないからこそ)他人に怒りを向けるとき、我に返ることが大切です。

まとめ

あなたは、これらのバイアスに心当たりがありましたか?
あなたの周囲の人が、これらのバイアスに左右されすぎていませんか?

認知バイアスは、誰にでもある脳のクセです。
人間は、思考の偏りを防ぐことができません。
もちろん、私もそのような認知バイアスを持って生きています。

バイアスを知ることは「不要な批判」や「衝突」を防ぐというメリットがあります。
他人に寛容な心を持つことができます。
さらには、自分にも寛容な気持ちになれます。

自分を嫌いにならないためにも、ときどき立ち止まって、認知バイアスを思い浮かべてみましょう!

参考文献

この記事は以下の文献を参考にして、独自の解釈でまとめています。

  1. Unskilled and unaware of it: How difficulties in recognizing one’s own incompetence lead to inflated self-assessments.
  2. Belief bias
  3. Self-serving biases in the attribution of causality: Fact or fiction?
  4. Fundamental attribution error
  5. Confirmation bias
  6. Hindsight bias
  7. Halo effect
  8. Extrinsic incentives bias
  9. Pygmalion and Employee Learning: The Role of Leader Behaviors
  10. Information bias (psychology)
  11. Availability heuristic
  12. Normalcy bias
  13. The Bias Blind Spot: Perceptions of Bias in Self Versus Others

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