かんたんに幸福感を得る13の方法と、1つの間違い

幸せを得る簡単な方法

簡単に幸福感を得られる方法があります。

これから紹介するのは、人生が変わるほどの幸福ではありません。
しかし、あなたの精神を癒やす方法です。

そんな日常のちょっとしたことで、幸福感を得られる方法を紹介します。

すべて科学的な研究によるものです。
まるで、心が温泉に入るような気分になれます。

私たちは、幸福を追い求めます。
しかし、大きな落とし穴があります。

この記事の最後に、幸福を求めることについても説明します。
もちろん、ここで紹介する幸福感を得る方法に、悪いものはありません。

たった2分でも幸せを得られる

2分間×2週間

毎日2分だけでも、実行できることがあります。

それは、自然に触れることです。

これは、学生395人を対象にした研究論文の内容です。

  • 2016年のThe Journal of Positive Psychologyに掲載されています。[1]

家の植物、道路の花、鳥の鳴き声に意識を向けるだけです。
学生らは、たった2分、自然を感じることで、幸福感が得られました。

そして2週間続けると、人生への満足感が向上することも分かりました。

都市部の緑や公園には、様々な効果があります。
そのうちのひとつが、癒やしの効果です。

花の香りを嗅いだり、植物に目を向け、自然を感じる人は、幸せそうに見えます。
幸せだから自然を愛するのではなく、自然に意識を向けるから、幸せになるのかもしれません。

温かくするだけで気分が良くなる

暖炉とポップコーン

次に簡単な方法は、温もりを得ることです。
数多くの研究で、温もりはストレスを下げ、幸福感を得ることが見つかっています。

私たちは、感情を「温かい」と表現します。

  • 温かい人、冷たい人という表現は、世界各国で使われます。

冬場は、憂鬱になりやすい季節です。
しかし、幸福感を得る方法も増えます。

これらを実行すれば、冬が好きになるかもしれません。

温かいカップを持つだけ

2012年の研究によると、温かいカップを持つだけで、精神的な感情まで温かくなることが報告されています。[4]
社会的な疎外感まで改善されたようです。

実は「温かいだけ」で、他人の印象も変わります。
温度は、自分以外の人にも、影響を与えるのです。

例えば、ユニークな研究のひとつに「ホットコーヒー」を渡すだけで、第一印象が良くなったという調査報告があります。[5]
詳しくは、コーヒーの効果と効能という記事にて説明しています。

コーヒーの効果と効能【完全版】驚くべきカフェインとコーヒーパワー

コーヒーの効果と効能「驚くべきカフェインとコーヒーパワー」

人間がビジネスで握手をしたがるのは、信頼を得たいからです。
冷たい人間に思われないように、手で温もりを与えているのです。

手を温める

手には、神経が集中しています。
他の部位よりも、敏感です。

前項の研究報告では、手を温めることで、幸福感が得られています。

冬場は、手袋をして防寒しましょう。

職場で手を温めるのは、難しいかもしれません。
小型の電気毛布を使って、手を暖めるのも良いでしょう。

私は昔、冬に自動販売機で、缶コーヒーを買って飲むのが好きでした。
何とも言えない「幸福感」だったのを思い出します。

室内温度は女性に合わせる

職場の室温調整は、女性に合わせる必要があります。
女性は男性よりも、寒さを感じやすい体質だからです。

これは筋肉の違いや、女性ホルモンの仕組みから来ています。
職場でのエアコンは、温度調整に配慮しましょう。
快適な室温は、22度〜25度です。

お風呂に浸かる

露天風呂

温泉に入るときの「幸福感」は格別です。
お風呂に入るだけで、幸福感を得ることができます。
前述の研究にもある通り、特に冬場は効果が得られるでしょう。

ドイツの研究では、「入浴することで、慢性疲労や、うつ病の改善になる」と報告されています。[6]
この研究によると、週2回、1ヶ月程度で効果が現れました。

朝に日光を浴びる

朝の公園

日光を浴びることで、体内にビタミンDが生成されます。
このビタミンDは、精神的に良い影響を与えることが見つかりました。

この研究論文は、冬季うつ病とビタミンDの関係を調査した内容です。

  1. 2014年のMedical Hypothesesに掲載されています。[2]

日光を浴びるのは、なるべく朝にしましょう。
朝の時間端、太陽光(強いブルーライト)の下にいることで、体内時計が調整されます。

サプリでビタミンDを摂取することについては、議論の余地があります。
体内時計の調整もあるので、朝に日光を浴びるのが一番です。

一般的に日照時間は、冬季うつ病に関連すると知られています。
しかし近年、それを否定する研究報告もあるため、議論されています。[3]

背筋を伸ばして座る

本を読む男性

2016年、ニュージーランドからの研究を紹介します。[7]
背筋を伸ばして座るだけで、気分が良くなります。
この研究では、疲労感も改善されました。

姿勢を正すことで、少なくとも短期的には、効果が得られます。
これは長く座っている時など、ちょっとした気分転換にもなります。

15分のウォーキング

歩くイメージ

ウォーキングは健康に良いだけでなく、脳の認知機能や、精神的な気分に良い影響を与えます。[8]
前述のように、「幸福感を得る」という意味では、少しでも自然のある「外の運動」が効果的です。

それでも外出が難しい場合は、室内で有酸素運動をしましょう。
やはり日光が当たる「窓際での運動」がオススメです。

15分の有酸素運動は、脳内の「気分の良さ」に関わる化学物質を増やします。

さらに別の研究では、週3回、昼休みにウォーキングをするだけで、ストレスが軽減され、リラックス効果が得られました。[9]
できるだけ日光を浴びるようにしましょう。

旅行をする

一人で海辺を歩く女性

旅行は、精神的なストレスを解消することができます。
写真を撮ったり、自然に触れることで、幸福感を得られます。

それは一人旅でも、様々な効果が得られます。

旅行が難しい場合、近くの公園などに行きましょう。
自然に触れることが大切です。

2016年の研究によると、海の見える場所は、精神を癒やす効果があると分かりました。

  • 「Health and Place(公衆衛生学の雑誌)」に掲載された研究[10]

確かに海を眺めるだけで、言葉にはできない幸せを感じます。

モノではなく体験を購入する

お金のイメージ

「お金で幸せは買えない」とは言いますが、科学によると、幸福は買うことができます。
ただし、購入するのは、モノではなく体験です。

サンフランシスコ州立大学の研究を紹介します。

  • この論文は2014年のThe Journal of Positive Psychologyに掲載されています。[11]

モノではなく、体験によって幸福が得られるというのは、多くの研究報告にあります。
経験(思い出)は、劣化による悲しさがなく、いつまでも脳に残ります。

体験にお金を払うことは、自分以外の人間と、コミュニケーションが増えることにもなります。
これも、体験によって幸福感が得られる理由です。

経験が得られるモノを買う

それでも「所有する満足感」を得たい場合、別の手段があります。
それは「経験が得られるモノ」を買うことです。

「経験を得るためのモノ」は、ファッションや家電製品よりも、幸福感が得られます。

  • この調査報告は2014年のJournal of Consumer Psychologyに掲載されています。[12]

例えば「カメラ」「自転車」「楽器」などがあります。
これらは、人生に新しい経験をもたらします。
さらに「本」も、生活の経験が得られるため、幸福を感じることができます。

時間を買う

時間を買うことで、幸福を得ることができます。
これは約4,500人という大規模な調査による報告です。

  • 2016年、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)に掲載されています。[13]

例えば、家事代行サービスが当てはまります。
「自分の時間を増やすサービス」にお金を使った人は、モノを買うよりも、幸福感が得られました。

親切な人になる

他人に優しくする人は、人生の充実感と相関します。[14]
「親切な行為」や「ボランティア」をすることで、幸福感が得られます。

昔から、他人に親切な行為をすれば、「巡り巡って自分に返ってくる」と言われていました。
実際は、自分に返ってくるまでに、時間は掛かりません。
親切にするだけで、「直接的に」幸福を得られることになります。

創作活動をする

外で執筆する男性

創作活動に取り組むことで、日々の充実感を得ることができます。

ニュージーランドの研究者らは、創作活動に取り組んだ翌日は、幸福感が得やすいことを発見しました。

  • この論文は2016年のThe Journal of Positive Psychologyに掲載されています。[15]

絵画、作曲、工作、小説を書いたり、創作活動であればジャンルは問いません。
もし月曜日が憂鬱であれば、創造をしてみる価値があります。

誰もが「時間を忘れるほどの没頭」を経験したことがあると思います。
フロー状態やゾーンと呼ばれる圧倒的な集中領域です。

以下の記事では、フロー状態を作って、「モチベーションをアップさせる方法」を紹介しています。

モチベーションを上げる方法【フロー心理学とゾーン】

モチベーションを上げる方法【フロー心理学とゾーン】

フロー心理学は「喜びの現象」と言われています。
目的は「幸せの追求」です。
(ただし、本当に幸福になるかは、議論もあります)

感謝をする(感謝で幸福になる理由)

人間に限らず、動物は嫉妬をする生き物です。

相手をうらやましく思うことは、「自分にもできたかもしれない」という思考です。
強い後悔を生み、幸福感が薄れます。

「感謝」をする人は、「嫉妬」とは逆に、今の状態を理解しようとします。

「今の状態」と「自分ができたかもしれない」というギャップは、憂鬱な気分になる要因です。[17]
これを回避するには、「小さなことにも、ありがたみを感じる」という思考が大切です。

「誰かのようになりたい」という思考が強すぎると、自分の周りにいる人に意識が向きません。
結果、感謝することが少なくなります。

「自分は自分で良い」という自尊心を持つことが、幸福感を得ることに繋がります。

幸福の追求には落とし穴があります(最後に)

幸福の落とし穴

他の人たちは、自分よりも幸せでしょうか?

私たちは、多くのメディアに触れています。
SNS(ソーシャルメディア)では、多くの人が「最高の瞬間」を投稿しています。
テレビメディアも、良い映像が撮れなければ放送されません。

多くの調査で判明したのは「他の人たちは、自分よりも豊かである」と思い込んでいることです。[16]
他人の生活について考えたとき、充実しているイメージが浮かぶからです。

実際は違っていても、他人は幸福に見えてしまいます。

悪い気分が人間に必要な理由

あまりに幸福度が高いと、人間はリスクを冒します。
過剰な幸福感は、「悪い結果を想像することができない」からです。

これは、痛みを感じない状態に似ています。
(痛みを感じにくい体質の人がいます)

痛みを感じなければ、それを避ける思考ができません。
そのため、病気などの身体変化に気づかないだけでなく、リスクのある行動をとる傾向にあります。

幸福感が過剰であれば、間違った選択をする可能性が高くなります。

幸福を求めすぎない

この記事に書いてあることは、簡単に幸福感を得る方法です。
これらを実行しても、デメリットはありません。

しかし、幸福を求めすぎると、幸福を得られなくなります。
これは幸福の目標が高くなり、「自分の立ち位置」とのギャップに苦しめられるからです。

銀メダルの選手よりも、銅メダルの選手の方が「幸福である」という有名な研究があります。[18]
恵まれた「勝者」が近いと、幸福感よりも後悔が増すからです。

高齢者は、若者よりも幸福感が増します。
この理由のひとつは、実現できる目標が少ないからです。

目標は、達成できれば幸福になり、達成できなければ苦しめられます。
ですから苦しみや悩みと、上手く付き合う必要があります。

人間の精神は、良好な時ほど、絶妙なバランスに立っています。
このバランスが崩れると、精神の病(やまい)に掛かります。

あまりに幸福であることは、問題となることがあります。
そう踏まえて生きていけば、気持ちが少し軽くなるでしょう。

補足

「笑顔を作れば幸福を感じる」という話を聞いたことがないでしょうか?
1980年代の「非常に有名な」研究調査です。

しかし2010年代になって、これを否定する研究報告が増えています。
つまり、議論の余地があります。

さらに「楽しくないのに、笑顔を作る」ということには、悪い影響も懸念されています。
幸福を得るために無理をするのは、本末転倒です。

したがって、この記事には入れませんでした。

参考文献

この記事は以下の文献を参考にして、独自の解釈でまとめています。

  1. Allocation of speech in conversation
  2. Possible contributions of skin pigmentation and vitamin D in a polyfactorial model of seasonal affective disorder
  3. Major Depression With Seasonal Variation
  4. Cold-blooded loneliness: social exclusion leads to lower skin temperatures.
  5. Experiencing Physical Warmth Promotes Interpersonal Warmth
  6. Effects of hyperthermic baths on depression, sleep and heart rate variability in patients with depressive disorder: a randomized clinical pilot trial
  7. Upright posture improves affect and fatigue in people with depressive symptoms
  8. How Exercise Revs Up Your Brain U.S. News & World Report
  9. Changes in work affect in response to lunchtime walking in previously physically inactive employees: A randomized trial.
  10. Residential exposure to visible blue space (but not green space) associated with lower psychological distress in a capital city.
  11. The hidden cost of value-seeking: People do not accurately forecast the economic benefits of experiential purchases
  12. To have in order to do: Exploring the effects of consuming experiential
    products on well-being
  13. Buying time promotes happiness
  14. Experts on Demand: Sonja Lyubomirsky
  15. Everyday creative activity as a path to flourishing
  16. Home alone: Why people believe others’ social lives are richer than their own.
    Export EXPORT Add To My List Email Print Share
  17. Decision-Making Dysfunctions of Counterfactuals in Depression: Who Might I have Been?
  18. When less is more: counterfactual thinking and satisfaction among Olympic medalists.
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