「直感」と「直観」の違いとは?【人生と直感の驚くような話】

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直感のイメージイラスト

直感と直観の違いは何でしょうか?
脳科学では違うものとして分けられます。

「直感」は無意識で「直観」には意識が存在します。
それでは無意識とは何でしょうか?

私たちは意識的に物事を判断して行動していると思っています。
しかし科学的な実験により、直感という無意識の領域で判断をしていることが分かってきています。

そのような話を初めて聞くのであれば、この記事の内容は衝撃的かもしれません。
直感と直観の違いや、直感を鍛える方法、人の生き方まで踏み込んで解説します。

直感と直観の違い

直感人間と直感人間のイメージ

創造力に欠かせないのが、直感と直観です。
両方とも降って湧いたアイデアみたいに思えますが、それは誤解です。
実際は道に落ちてるようなアイデアなんてありません。

直感や直観は必ず記憶から生まれます。
脳の中からアイデアが出てくるのであって、そのためには記憶という材料が必要不可欠です。

様々な経験から記憶を集めて、直観や直感を使うことでアイデアが出てくるのです。

ビジネスや就活サイトなどでは「創造力」と「直観・直感」は、別物として記載されていることがあります。
実際は記憶という材料があり「直観・直感」によって、アイデアが創造されるのです。

それでは「直観」と「直感」の違いは何でしょうか?
直観は「ひらめき」とも言います。

脳科学でも「直観(ひらめき)」[1]と「直感」[2]は違うものとして語られます。

  1. 大脳皮質の活動によるもの
  2. 大脳基底核の活動によるもの

文献により違う表現も見受けられますが、大方の見解は共通しています。
いずれも記憶が材料となっていることが重要です。

さらに詳しく「直感」と「直観」について説明していきます。

直観(ひらめき)とは

「直観」とは論理的に説明ができる発想のことです。

以下のようなテストを解くのが直観力です。

直観で答える簡単な問題

正解は8ですね!

直観で答える難しい問題

正解は後ほど。

この問題の正解は「睡眠と直観」の項目で後ほど出てきます。

ビジネスやマーケティングであれば、直観は以下のような例になります。

  1. 犬よりも猫を飼う世帯数が増えているから猫の市場は拡大する。猫のための新しい商品を開発しよう。
  2. あるジャンルの商品のみ大都市から買い付けに来る客が増加している。ネット向きの商品ではないが、商品を絞り込んでネット通販を開設しよう。

1.については誰にでも思いつくものです。
2.についてはネット向きの商品ではないというのがポイントです。
誰もが「それはネットでは売れないよ」と意見する商品です。

特定の層に売れるニッチな商品はネットで大きく売れます。[1]

  1. 商圏が大きいから商売が成り立つ。

これが理論です。
商品の特性がネット向きではないというのは感覚であって理論ではありません。

場当たり的に実行しては、お金や体力がいくらあっても足りません。
そうならないために理論でシミュレーションしてから参入します。

直観(ひらめき)は論理的で事前に結果が予測できるものです。
そして後から結果を論理的に説明することができるものです。

直感とは

直感とは論理的な説明ができない判断です。
前項の直観とは違い、以下のテストに自然と答えられるのが直感です。

どちらが「ブーバ」でどちらが「キキ」でしょうか?

Booba-Kiki

このテストはブーバ・キキ効果と呼ばれています。

98%ほどの大多数の人は「曲線図形がブーバで、ギザギザ図形がキキだ」と答える。しかもこの結果は被験者の母語にはほとんど関係がなく、また大人と幼児でもほとんど変わらないとされる。
出典元:ブーバ/キキ効果 – Wikipedia

ではどうして右が「ブーバ」っぽいのか、論理的に説明できるでしょうか?
あなたの記憶の中に眠っている経験が、右を「ブーバ」と判断しているのです。

このように直感は論理的な説明ができません。

芸能人などの結婚会見で「お互いどういった所に惹かれたのですか?」という質問があります。
「やさしい、頼りになる、誠実さ」など、それっぽい答えがでてきます。
説明をしているようで実は論理的でも何でもなく、後からそれっぽい理由を付け足しているのです。

後からそれっぽい理由を付け足すという行為は、人間なら誰にでも見られる脳のクセです。
人から聞かれた時点で社会性などが無意識に考慮されるので、まさか「顔が好みだった」というストレートなことを言ってしまえば社会性が台無しです。

この直感というものは、普段の生活やビジネス、人生までにおいて、あなたそのものです。
経験則にもとづくもので人生経験も必要です。
良い経験をたくさん記憶することで自然と直感を鍛えることができます。

脳は良い経験が多いほど「直感」で良い方向への判断を「無意識」のうちに選ぶことができます。

文章だと分かりやすい直感と直観

文章を例にすると分かりやすいと思います。

文章は主語や述語、修飾語などの組み合わせで成立します。
本来は「直観」を使うはずです。

しかし私たちは、主語や述語を意識せず文章を書くことができます。
そして気持ちの悪い文章に気づくこともできます。
普段は「直感」を使って、読み書きをしているのです。

文章が気持ち悪かったり、ビジネスの文面だと、「直観」を使いながら読み書きをしたり、具体的な指摘をするのです。
直感で気持ち悪さを感じ取り、直観で文章を見直しているのです。

直感と自由意志について

コーラを飲む女性

前項のブーバ・キキ効果で分かるように、直感は後で説明することができません。
人間が後からそれっぽい理由を付け足すのは、数々の研究で裏付けされています。
実際は意志によって判断しているのではなく、無意識の領域で判断をしています。

人間は自由な意志で都度判断して行動すると誰もが思っています。
それは自分の意志で決定したつもりになっているだけです。

脳科学の世界では数々の研究結果により、もはや自由な意志が人間にはないと言えるようになっています。

サブリミナル効果という意識することができない表現方法があります。
映像に一瞬だけ挿入するカットなどで、現在はテレビや映画などで使われることが禁止されています。

サブリミナル効果は意識することができないのですが、脳の中には入ります。
例えばコーラを美味しく飲んでいるカットをサブリミナル効果で挿入すると、複数のドリンクが選べる状況下ではコーラを無意識に選びます。
「どうしてコーラを選んだのですか?」と聞くと、「糖分を補給したかった」「ボーッとしているので刺激が欲しかった」などとそれっぽい理由が出てきます。
実際は無意識の中にある記憶から直感で選んでいるのです。

そこに自由な意志はありません。
こういった単純な研究だけでなく、脳を解剖するレベルでも様々な研究が行われています。
いずれも自由な意志で判断しているとは思えない結果が得られています。

さて神経衰弱などのゲームで「直感でこれだ!」と選ぶ人がいます。
これは直感ではなく「でたらめ」という言葉の方が合っていると思います。

直感を鍛える方法

スポーツのイラスト

直感を鍛えるにはどうすれば良いでしょうか?
やはり訓練と経験しかありません。

訓練によって直感を鍛えると、脳に変化があらわれます。
理化学研究所の実験や、ジャンル別に直感を鍛える方法について解説します。

訓練で直感が使えるようになる

将棋の羽生名人は「直感の7割は正しい」と言われています。
棋士の場合は論理的な思考も組み合わさっていますので、直観も直感も両方使っているのでしょう。

アマチュア棋士とプロ棋士では使う脳が違います。
アマチュア棋士は練習や訓練を重ねることによって、プロ棋士が使う脳を手に入れることができます。

つまり直感力は訓練で誰でも鍛えられるのです。
これは理化学研究所の実験にて判明しています。[1]

素人でも訓練によりプロ棋士と同じ直観的思考回路を持てる | 理化学研究所

プロ棋士だけが使う脳の神経回路[2]を未経験者が訓練によって得ることに成功しています。

  1. 理化学研究所だと「直観」と表現しています
  2. 大脳基底核にある尾状核

訓練方法はゲームによるものです。
将棋を単純化した「5五将棋」のゲームプログラムを4ヶ月間行います。
難易度は50%、つまり五分五分の試合ができる難易度です。

自分と同等の難易度でゲームを継続することで、普段は使われない大脳基底核を使い始めるのです。
大脳基底核は運動、感情、認知機能や動機づけなどの機能がある脳部位です。
通常は「直感」と関わっているはずです。

ところが将棋は「直観」を使うはずの競技です。
この実験では訓練によって「直感」を使い始めることが分かったのです。

将棋のプロは反射的に「直感」を使って、先を読んでいるのです。
その直感は訓練によって、誰でも身につくと判明しています。

直感力を鍛えるジャンル別の具体的な方法

直感力を鍛えるにはどうすれば良いのでしょうか。
これは何を得たいかによりますので具体的な例を挙げていきます。

共通するのは繰り返し学習して記憶することです。

スポーツでの直感力

スポーツであれば実戦や練習で直感力を鍛えられます。
そのためには身体を自由に動かすための基礎トレーニングが必要です。

繰り返さないと記憶は定着しません。
脳の特性から言えば効率的な方法はあっても、ラクができる近道はないでしょう。

基礎トレーニングは身体を動かすため、実戦や練習は直感のような判断力を得るため、という具合に分けて考えると分かりやすくなるでしょう。

マインドスポーツ(囲碁・将棋など)の場合

前述の理化学研究所の実験のようにトレーニング(実戦・練習戦)で直観力を鍛えることができます。
理論的に言えばゲームでも鍛えられます。

大脳基底核は運動にも使う脳部位なので、まさに本当の意味でスポーツだと言えます。

ビジネスでの直感とは

これまで論理的に説明ができる「直観(ひらめき)」と、説明のできない「直感」について、両方とも記憶という材料が必要だと述べました。
記憶は「経験」と「知識の入力(本などから情報を入れる)」によって作られます。

ビジネスの人々

直感力は年齢と共に鍛えられます。

30代になって管理職者となると、かなりの経験が蓄えられるので、次々に正しい判断ができるようになります。
また「これはやった方が良い」とか「この会社はちょっと怪しい」などといった直感的な感覚が身につきます。
多くの場合、その直感は信じられるものです。

もちろん管理職者になったばかりではプレイヤーとしての感覚しかないので、最初は「管理職者として」苦労します。

理論がなくても直感に頼って成功するケースは本当に多いです。
理論がないのですから、実行する人も少ないからでしょう。

経験がない場合は論理的な直観力を使う

前述の通り「直観(ひらめき)」は論理的で実行する前から予測できるものです。
「本などから知識を得る」「成功事例からルールを導き出す」ことで、直観力を鍛えることができます。

例えば以下のような「ひらめき方」があります。

  1. ショッピングモールでは坪売上が重視されると本で読んだ。
  2. 私たちの会社は企業を相手にしているから、坪売上の概念はない。
  3. 使われていない会議室は無駄なスペースとなっている。坪売上がない状態ではないか?
  4. 動画や生放送によるマーケティングが成果を上げている。
  5. そうだ、会議室を動画スタジオにリフォームして他の企業にレンタルしよう。

このような発想が直観によるものです。
様々なジャンルから情報を仕入れないと、良いひらめきは生まれません。
必ず記憶から出てくるものです。

経営者に多い直感型

株式会社サイバーエージェント[1]の藤田社長は、自身の著書で理論派の人間で上手く会社を回している経営者はいないと言われています。
意外にも直感型の経営者が成功しているそうです。[2]

  1. アメーバブログ、Abema TVなどで有名なIT企業
  2. 運を支配する (幻冬舎新書) より

もちろん直感的な発想だけで経営はできないでしょう。

メモを取ることの本当の意味

「直感力を鍛えるには物事をすべてメモしなさい」という話を聞いたことがありませんか?
これは正しいと言えます。

メモをすることで記憶に入りやすいからです。
さらにメモを見返すことで、記憶から取り出せるようになります。[1]

  1. 記憶の定着と言います。

直感も直観も、記憶という材料が必要です。

右脳と直感力は関係がない

ネットには右脳を鍛えることで直感力が鍛えられるという情報が多く見受けられます。
直感や直観は脳の大脳皮質や大脳基底核によるもので、いずれも右脳と関係はありません。
前述の理化学研究所の実験からも右脳と関係性がないと分かります。

右脳派=直感力というのも、科学的な根拠がない俗説です。

直観は寝ることでひらめく

睡眠で記憶を整理する様子

すでに深夜なのに、どうしても解けない問題。
でも朝起きて取り組むと一発で解決できた!

そんな経験はないでしょうか?

  • どうしても動作しなかったプログラムが、翌日の朝に解決した。
  • 良いデザインが浮かばなかったのに、翌日の朝にアイデアが降ってきた!

私はこのような経験がたくさんあります。
これらに共通するのは睡眠です。

この現象が起こるのは、睡眠によって記憶が整理されるからです。

さて「単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス) 」という本に「ひらめきの実験」が掲載されています。

直感の問題と答え

隠れた数字に気づかなくても、平方根にして三角の数字を足すとすべて6になります。

こういった問題が脳トレに出てきたら要注意です。
頑張って考えても無駄な時間を消費します。

この実験では以下のグループに分かれて問題を解きます。

  • 昼間に8時間考えた後に解答するグループ
  • 徹夜で8時間考えた後に解答するグループ
  • 寝る前に見せて、8時間寝てから解答するグループ

3つ目のグループに関しては、寝てるだけでほとんど考えていません。
それなのに一番点数が良かったのが、3つ目の寝ただけのグループです。

  • 昼間に8時間グループ 正解率20%
  • 徹夜で8時間グループ 正解率20%
  • 8時間寝ただけのグループ 正解率60%

寝て起きたら直観がひらめくというのは、科学的にも裏付けされているのです。

多くのサイトで直観を鍛える方法に「時間を掛けて考えることが重要」と記載されています。
もしかしたら時間を掛けて考えても意味がないかもしれません。
寝る前に情報を仕入れて(勉強して)、しっかり睡眠をとることが重要です。

この実験についての論文は以下です。

Figure 1 : Sleep inspires insight : Nature
Nature is the international weekly journal of science: a magazine style journal that publishes full-length research papers in all disciplines of science, as wel...

睡眠が何かしら記憶の整理に使われているのは、数々の研究から間違いありません。
不要な記憶を刈り取るのも睡眠時です。

睡眠による脳の活動については、以下の記事もご参考ください。

直感を信じる生き方とは? まとめ

直感のまとめのイラストイメージ

女性の勘は鋭い……。

これまで直感や直観について記憶や経験が重要だと述べてきました。
特に「直感」については経験そのものです。

私たちは人生における重要な決断から、レストランのメニュー選びまで「直感」により決めています。
これらは「直観・ひらめき」のように論理的に説明ができないもので、無意識の領域で判断されます。

直感は人だけでなく、他の動物にも見られることです。

直感を信じる・信じないもありません。
信じる猶予もなく無意識に人が判断するのが直感です。

もしも脳に蓄積された経験を見る装置があれば、誰が何を決断して、何を選ぶのかまで事前に分かります。
すでにマウスの実験では、マウスが行動するのを事前に予測できます。

ということは人生において経験が大事だと分かります。

良い経験をすればするほど、未来に良い結果を得られる判断力が「直感」により生まれるわけです。
多少の悪い経験もするでしょうが、それすら良い経験に繋げることができる材料です。

この考え方で新しいことに挑めば、人生は良い方向に変わるのではないでしょうか。

良い経験を多くすれば、あとは直感に身をゆだねるだけです。

参考文献

この記事は以下の文献を参考にして、独自の解釈で「直感」についてまとめています。文献の内容とは異なります。

  • 素人でも訓練によりプロ棋士と同じ直観的思考回路を持てる | 理化学研究所
  • 直観をつかさどる脳の神秘(RIKEN NEWS No.358)
  • つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線 (理化学研究所脳科学総合研究センター)
  • 単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス) 池谷 裕二 (著)
  • 脳には妙なクセがある (扶桑社新書) 池谷 裕二  (著)
  • 脳はなにげに不公平 パテカトルの万脳薬 池谷 裕二  (著)

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