スキニーパンツ(ジーンズ)は「足を圧迫して危険」というネットの情報があります。
これらは過剰な不安を与えています。
私はちょっと疑問に思っていました。
すべての情報元が、1つの事例しかないのです。
実際はどうなのでしょうか?
アトランティック[1][2]のウェブサイトに、この話題が取り上げられています。
- アメリカの情報誌、The Atlantic
- 情報源の信頼性は最上位クラス
あらためて情報を精査する必要があります。
もしスキニージーンズに不安があれば、この記事をご参考ください。
危険と言われる経緯
スキニージンズが危険という主張は、どこから来たのでしょうか?
そしてどのような理由で危険だと言うのでしょうか?
情報元
スキニージーンズが原因で、35歳のオーストラリア人女性が入院したという事例があります。
それは引っ越しの手伝い中に起こりました。
夜にまで引っ越しが長引き、足のしびれを感じるようになったのです。
彼女は足が動かせなくなり、4日間入院することになりました。
これはスポーツや交通事故など、打撲で起こりやすい病気です。[1][2]
- 血行障害などにより、神経組織が壊死するコンパートメント症候群
- 急性のコンパートメント症候群では、すみやかな処置が必要
もとの情報源は以下です。(英語)
スキニージーンズが危険という情報元は、この1件の事例に集中しています。
そして非常にレアなケースとして、報告されています。
本当にスキニージーンズが原因でしょうか?
それは疑わしいものです。
スキニーパンツが足を圧迫する?
スキニーパンツが足を圧迫するというのは、確かに考えられます。[1]
- 知覚異常性大腿神経痛などのリスクがあると言われています
特に私たち一般人は、なんとなく危ないイメージを持ってしまいます。
主にリスクは、シートベルトやコルセットなどによるものです。
しかしスキニーパンツには、それらと違って伸縮性があります。
タイトなジーンズであっても、身体と一緒に動かせるのであれば、大きな問題にまでなりません。
スキニージーンズは本当に危険か?
スキニージーンズは本当に危険なのでしょうか?
医師や科学メディアの編集者たちは、スキニージーンズが危険という話について反論しています。
オーストラリア人女性の事例は、スキニージーンズが直接の原因とは言えない、という報告が次々に出てきました。
スキニーパンツを避ける必要はない
アトランティックのウェブサイトに、詳しい説明が掲載されています。
上記の記事を説明します。
インタビューしたカーチス医師によると、伸縮性のあるスキニーパンツに、危険性の心配はないと言います。
ほとんどのスキニーパンツは、足首の周辺を締め付ける構造になっていません。
動脈が圧迫されることはなく、静脈の循環についても問題は起こらないとのことです。
高齢者は注意も必要
どうやら高齢者に関しては、スキニーパンツを避けた方が良さそうです。
高齢者には、他の病気のリスクがあるからです。[1]
- 末梢血管疾患や静脈疾患など
カーチス医師も、座り続けることがある高齢者なら、話は別と言います。
常識的な範囲で選ぶこと
アトランティックの記事では、あまりにきついスキニーパンツは、避けるべきと忠告しています。
常識的な範囲で選ぶ必要があります。
伸縮性がなかったり、痛みが出るようなジーンズは避けた方が良いでしょう。
他の専門的な人たちの見解
ハーバード大学のブログにも、医学部の助教授による解説が掲載されています。
情報元となるオーストラリア人女性の事例は、スキニーパンツが原因とは考えられていません。
むしろ外傷による要因の方が、可能性が高いと言います。
因果関係は極めて低い
イギリスの大手新聞「ガーディアン」にも掲載されています。[1]
- 情報源の信頼性は中の上
こちらもスキニージーンズが原因とは、考えにくいという内容です。
この記事では、因果関係を図る指標に当てはめています。
まず統計という点で、事例はたった1つです。
類似するケースもありません。
スキニージーンズと病気の事例について、因果関係は極めて低いと分かります。
結論
スキニーパンツ(ジーンズ)による危険性は、極めて低いと言えます。
ほとんどのスキニーパンツには、ストレッチ性があり、心配する必要はありません。
ただし常識の範囲内で、激しい締め付けがないものを選びましょう。
長時間、しゃがむような作業も避けるべきです。
そうでなくても、適度に休憩をとりましょう。
たったひとつの事例が、センセーショナルな扱いで、ネットによって拡散されます。
あまりにもスキニーパンツの危険を煽る記事が多かったので、あらためて精査してみました。
見つかった情報源は、信頼できるサイトでした。
きちんと医師にインタビューをしています。
逆に危険性を警告している海外のサイトは、どれも信頼のできるものではありませんでした。
スキニージーンズが原因と最初に報告したのは医師のキンバー氏です。
そもそもキンバー医師は、一般的には安全であると、インタビューで答えています。
そして長時間座ることの方が問題と言います。
さて、一部の国内サイトでは「毎日履かなければ大丈夫」とあります。
この情報源は見つかっていません。
そういった医師のコメントは、信頼できる科学メディアには掲載されていませんでした。
あまり気にする必要はないでしょう。
スキニーパンツが直接の要因で、病気を引き起こすとは考えられていません。
過度に不安を持たないようにしましょう。
(アパレル関係の方は、この記事を拡散いただけると幸いです)