PCメガネに効果はあるのか?【パソコンには不要? 逆効果も】

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PC眼鏡を選ぶ女性

PCメガネは、本当に効果があるのでしょうか?

実はPCメガネには、正しい使い方があります。
正しく使えば効果もありますが、間違った使い方をすると、逆効果にもなります。

この記事では、PCメガネとブルーライトの関係、PCメガネの正しい使い方などを説明します。
一日中ブルーライトを遮るのは、良くありません。

信頼できる研究データから「PCメガネは本当に効果があるか?」を解説します。
そして「普段使いできるか?」という疑問について、答えを出していきます。

PCメガネに効果はあるか?

PCメガネをかけた女性

まずは「何のためにPCメガネを使うか?」を説明します。
これさえ知っておけば、無駄な消費を抑えられるでしょう。

PCメガネとは?

PCメガネとは、レンズの部分にフィルターを施して、ブルーライトをカットする眼鏡です。
英語でも「Computer Glasses」と言ったり、文字通り「Blue Light Filter」と表記することもあります。

もともとはブルーライトをカットするための眼鏡です。
広く販売しやすいということで、PCメガネと呼ばれるようになりました。

ブルーライトの何が悪いのか?

ブルーライトは、人間の体内時計を変えます。

朝にブルーライトを見ると、体内時計がリセットされます。
これは良い影響を与えます。

しかし夜にブルーライトを見ると、体内時計が崩れます。
体内時計が崩れると、短期的にも長期的にもリスクが発生します。

現代になるまで、人類が夜にブルーライトを見ることはありませんでした。
(夜に太陽光が入るようなものです)

これだけではありません。

ブルーライトは、目の病気のリスクや、逆に気分を良くしたりと、様々な影響を与えます。

ブルーライトについては、以下の記事で詳しく解説しています。

PCメガネは、ブルーライトをカットするひとつの方法です。
上記のブルーライトの記事には、PCメガネを使わない方法も紹介しています。

PCメガネで体内時計は調整できるか?

本当にPCメガネは効果があるのでしょうか?

信頼できる研究データがあります。

チューリッヒ大学のステファニー氏らの研究報告です。[参考文献※1]

この研究では、就寝の3時間前にPCメガネを使用しています。
対象人数は13人です。

PCメガネをかけたグループに、メラトニンという睡眠物資の放出が、より多く確認されました。[1]

  1. メラトニンについては、前述のブルーライトの記事に詳しく記載されています。

しかし睡眠の質が改善されたという実感は、感じられなかったようです。

実感はできなくても、メラトニンの放出は確認できています。
これはPCメガネに効果があることを示しています。
(就寝の3時間前というのは、なかなか難しいかもしれません……)

類似の研究報告としては、オレゴン州の医師らによる報告もあります。
こちらは睡眠の質が改善されたという実感も、報告されています。

就寝前にPCメガネをかけることで、メラトニンが放出されやすくなり、体内時計の調整に効果があると言えます。[1][2][3]

  1. 夜に見るブルーライトが、メラトニンの生成を抑えます。
  2. 夜にブルーライトをカットすることで、メラトニンの生成がしやすくなります。
  3. 体内時計の調整は、朝食の有無などによっても行われます。

睡眠は改善されるか?

睡眠の質は、PCメガネで改善されるのでしょうか?
大規模な研究データは存在しません。

夜にブルーライトを軽減することで、メラトニンが放出されやすくなります。
理論的には、睡眠の質は改善されます。
(就寝前に光源を見ない方が、もっと良い眠りにつけるでしょう)

海外に研究データがあります

これは決して信頼できるデータではありません。
それでも専門家による実験です。
個人の口コミ・レビューよりも、はるかに信用できます。

ペンシルバニア州立大学の博士候補ルイス氏の報告です。(英語)

Can wearing orange-tinted glasses before bed help you sleep? Only one way to find out...
I recently wrote about the terrible sleep habits of the characters in House of Cards. I disapproved of Frank Underwood’s late-night computer work in the Oval Of...

(どれだけオレンジが強いメガネを使用したかを見て欲しいです)

このカンバセーションというサイトですが、情報源の信頼性は上の下です。
イデオロギーに偏りは見られますが、信頼できるサイトです。

ルイス氏の実験データの内容は?

彼女はフレックスというウェアラブル端末を腕に装着しました。(ブルーライト調整アプリのf.luxとは違います)
この端末は、睡眠データを自動で収集できます。

PCメガネを装着したのは、睡眠の1時間前です。

どのように改善したか?

まずは睡眠時間が、1日につき20分増加しました。
これは偶然の可能性がある数値です。[1]

  1. 統計として有意でないデータです。

そして深い眠りの時間が、およそ30分増加しています。[1]

  1. こちらは統計上、有意なデータです。

実感は感じられるか?

ルイス氏は、睡眠が改善できたと実感できたようです。
「明け方に早く目覚めることがなくなった」と報告しています。

最後に彼女は、こう付け加えています。

PCメガネを試してみても、害はありません。
しかし睡眠障害が疑われるなら、医師に相談してください。

目の疲れを軽減できるか?

PCメガネでパソコンの作業をすると、理論的には目の疲れを軽減させることができます。
ITmediaさんの記事には、目の疲れを引き起こすメカニズムが、細かく書かれています。
そしてこの記事では、南青山アイクリニックの研究報告もあります。

JINS PCは効果があるのか? 眼科医が日本マイクロソフトでの導入事例で検証した
LED液晶ディスプレーから多く発せられる「ブルーライト」をカットすることで、目の疲れやちらつきを大幅に軽減するというJINS PC。先行導入した日本マイクロソフトの社員約500人の協力を得て、その効果を検証した。

この研究では、PCメガネが目の疲れを低減したと報告されています。

研究データは信頼できますか?

この研究結果は、ひとつの報告に過ぎません。
規模や実験内容からすると、信頼できる精度でもありません。
そして類似する研究報告は、海外にもありません。

とはいえブルーライトを削減すると、画面のコントラストが下がります。
画面のコントラストが下がると、集中力も下がります。

さらにブルーライトは、気分を高揚させ、集中力を向上させます。
ブルーライトを軽減することは、集中力まで減らすことになります。

これらは目の疲れを軽減するのに、十分な理由が得られています。

PCメガネの正しい使い方

PCメガネをかけた普段着の女性

朝からPCメガネをかけていませんか?

悪い影響を受ける可能性があります。

「PCメガネ」と呼びますが、実際はブルーライトをカットするのが目的です。
パソコン作業だけであれば、PCメガネは不要です。

その理由と、正しい使い方を説明します。

PCメガネを一日中かけてはダメ?

目が疲れるからと言って、朝から一日中PCメガネをかけるのは考えものです。

ブルーライトは体内時計をリセットするのに必要だからです。
ブルーライトを見ることで、脳は活動状態になり、気分を高揚させます。[1][2]

朝からブルーライトをカットすれば、体内時計のリセットに悪い影響を与えます。
ひどければ、時差ボケに似た症状がでます。[3]

  1. セロトニンが放出されます。
  2. セロトニンが減ると、うつ病などを引き起こすと疑われていますが、証拠までは見つかっていません。
  3. 時差ボケは、体内時計の崩れによって引き起こされます。

以下にて気になる事例を紹介します。

広島県医師会速報 ブルーライトが鬱を救う?
※PDFファイル:http://www.hiroshima.med.or.jp/ishi/docs/1015/2314_067.pdf
広島県医師会速報の編集室コラムです。
PCメガネをかけて、目の奥の痛みが改善されたものの、気分の落ち込みが続くようになったそうです。
PCメガネの使用を辞めると、気分の落ち込みは改善されました。
前述の通り、体内時計の乱れではないかと推測されています。
産業保健新聞 ブルーライト、カットしすぎていませんか?
| ブルーライト、カットしすぎていませんか?|第10658号
ブルーライトはなぜ悪い? スマートフォンやタブレット端末、パソコン(LEDライトも)から放たれる光の中でも、眼の痛みなどの眼精疲労や、加齢黄斑変性という病気を招くとされるブルーライト。 昨今では研究が進み、眼精疲労だけでなく、生体リズムを乱す原因としても注目されてきていることはご存知だろうか。 ブルーライトとは、波長が...
産業保健新聞さんのコラムです。
日中もブルーライトをカットし続けることで、メラトニンが分泌される時間帯が早まってしまうという研究結果が紹介されています。
光周性 – 脳科学辞典
冬季うつ病の改善に光療法の有効性が示されています。
冬季うつ病は、日照時間の少ない冬の季節に観察されるため、体内時計の乱れによる関係性が示唆されています。

ブルーライト研究会のサイトにも、以下のような報告があります。

また、血糖値が下がるとイライラしたり、落ち込んだりすることはよく知られていますが、サーカディアンリズムによる体調の変化も、心に大きな影響を与えます。
白内障により水晶体が濁り、ブルーライトが透過しづらくなった人や、夜型の生活を送る人に、睡眠障害をともなうイライラやうつ症状などが多く見られる一方で、LEDを設置した首都圏の駅ホームでは、自殺者が平均80%以上も低下するといった研究データも報告されています。
家庭でも、職場でも、そして公共の場や商業施設でも、LEDを使用する場所やタイミングを考慮して環境を整えることが、今後ますます求められていくでしょう。
出典元:ブルーライトとは – 精神への影響 | ブルーライト研究会

河北秀也のデザイン原論という本の中でも、地下鉄を利用する人が気分の不調を訴えるという記述があります。
地下鉄の路線図をデザインした人の著書です。
路線図は役に立ったけど、デザインで人を幸せにするとは何か? という疑問を投げかけています。
1980年代の話ですが、この頃の蛍光灯は、今よりずっと低い色温度でした。
それはブルーライトをカットした光源と同じです。

PCメガネは夜にかける

PCメガネをかけるのは、いつが良いのでしょうか?

前項のように、ブルーライトを一日中カットし続けるのは、人体に悪影響だと言えます。
普段使いは、オススメできません。

夜にかけるのであれば、体内時計を調整するのに効果は大きいでしょう。
ブルーライトが含まれるLED照明を、夜だけ色温度を下げたり、暗くできれば一番です。
しかし実際は難しいと思います。
LEDを夜だけ避けるのは困難です。

睡眠の1時間前にかける

前項のルイス氏の実験で、PCメガネをかけるのは、睡眠の1時間前が良いと分かっています。
ただし実験で使われたのは、オレンジ色が強い眼鏡です。
さらに環境光が、目に入りにくい構造をしています。[1]

  1. なるべくLEDの光が、目に入らないようにしたいものです。

睡眠の改善を期待する場合は、PCメガネを選ばないといけません。

パソコン作業の場合

パソコン作業でPCメガネをかける場合、注意があります。

集中力が必要な場合は、PCメガネは逆効果になります。
ブルーライトが集中力を向上させるからです。
PCメガネは、目の疲れ、頭痛の軽減などのメリットをもたらせます。
しかし、注意力や集中力は減ってしまいます。

校正作業など、集中力が必要な場合は、外した方が良いでしょう。
[参考記事:集中力を高める方法まとめ!

PCメガネはパソコン作業には不要

パソコンの作業では、もっと良い方法があります。
それはf.luxというアプリを使うことです。

アプリを使うことで、PCメガネと同じ効果を得られます。

f.luxはスマートフォンでも使えます。

LEDの照明のように、色温度が変えられないものに対しては、PCメガネが有効です。
パソコンやスマートフォンのブルーライト対策だけであれば、PCメガネは不要です。

おしゃれの目的で買うのは?

裸眼の人は、PCメガネをおしゃれの目的で買いたいと思うかもしれません。

私もそうでしたが、考えた方が良いかもしれません。

前項の研究データでは、オレンジ色の強いメガネが使われています。
ブルーライトをカットして、効果を得ようとするならば、色つきの眼鏡にした方が良いでしょう。

透明タイプのPCメガネは避ける

ブルーライトのカット率が低い、透明タイプのメガネがあります。
おしゃれのために選ぶ人も多いかと思います。

PC眼鏡

私も買ってしまいました。

実際に裸眼と透明タイプのPCメガネで比較すると、確かに白い色が黄色に見えます。
しかし、わずかな違いです。

画面のコントラストを下げるのにも、不十分です。
あまり効果は見込めません。

ブルーライトのカットが目的であれば、黄色いタイプのPCメガネを買いましょう。

そして朝や昼からブルーライトをカットするのは、逆効果にもなりかねません。
おしゃれの目的であれば、だて眼鏡にするべきです。

私もそうすれば良かったと思っています

JINSやZoff以外にも選択肢はある

余談ですが、私はJINS以外のPCメガネも持っています。
メガネ屋さんで、レンズだけブルーライトをカットしたものを購入しました。
JINSやZoffに、気に入ったフレームがなかったからです。

いずれコーディング無しのレンズに変えようと思っています。

私は打ち合わせで「メガネをかけた方が良い印象を与える」と考えています。

ブルーライトカットのコンタクトレンズについて

ブルーライトをカットするコンタクトレンズがあります。
これも体内時計が乱れる可能性があるので、使用しない方が良いでしょう。

白内障でブルーライトを遮断された人に、睡眠障害やうつ症状が多く見られるという報告もあります。
ブルーライトカットのコンタクトレンズを使用することは、これを再現することと同じになりかねません。

まとめ

今ではPCメガネをかける医学的な根拠が、十分に揃ってきたと思います。
ブルーライトに関する科学的な根拠は、すでに揃っていました。

一部ネットで言われるような、PCメガネ業界が作ったねつ造ではありません。

確かにメーカーには、誇大な表現も見られます。

現代社会では、LEDのブルーライトを避けるのが困難です。

睡眠の専門家たちは、就寝1時間前から光を見ないようにと言います。
私たちにとって、それは難しいかもしれません。

私もできるなら寝る前に、暖炉で本を読むような生活を送りたいです。
暖炉の灯にブルーライトは含まれません。

照明を自動調整するような住宅が、いずれは出てくると思います。
それまでの間、PCメガネは活躍するかもしれません。

参考文献

この記事は以下の文献を参考にして、独自の解釈でPCメガネについてまとめています。

  1. Blue blocker glasses as a countermeasure for alerting effects of evening light-emitting diode screen exposure in male teenagers.

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