子供にタブレットや、スマートフォンを持たせるには、注意が必要です。
いろんなリスクが潜んでいますので、それらを紹介していきます。
海外のサイトを調べていると、素晴らしい方法が見つかりました。
「子どもにタブレットを持たせる」のに、最良の方法だと思います。
スマホやタブレットには、どのような悪影響があるのでしょうか?
他にも「依存や中毒を防ぐ方法」や、「使用時間」など、信頼できる文献から説明していきます。
子供にタブレットを使わせる最良の方法
子どもにスマホやタブレットを使わせるには、どうすれば一番良いでしょうか?
海外の科学メディア「ライブ・サイエンス」に、素晴らしい対策が掲載されていました。
おそらくこれが、最良の方法になるでしょう。
親の所有物にさせる
依存を防ぐのに最も良いのは、子どもの所有物にさせないことです。
タブレットは親の所有物として、子どもに使わせることです。
こうすることで、「子どもが遊ぶ時間」を親がコントロールできます。
タブレットやPCは、リビングなどの管理できる場所に置きます。
持ち出せないように、家族ルールを作るのです。
子供はタブレットのコンテンツを欲しがる
ほとんどの子どもは、自分のタブレットが欲しいわけではありません。
タブレットの「中に入っているコンテンツ」を体験したいだけです。
使わせるだけで、十分なのです。
家族ルールは強く作用する
タブレットは持ち運びが簡単なだけに、注意が必要です。
「リビングで使うルールだから」という言い方をすれば、抑制させるのに便利です。[※]
- この方法は「心理的リアクタンス」と言います。
「ルールを守れる子になって欲しい」という言い方も有効です。
下手に理由を言い聞かせるよりも、相手を主体にすると、効果があります。
これは自分が主体になることで、自分に意識が向くからです。
ただし「何となくルールが守られている場合」は、ルールのない方が、円滑に過ごせます。
スマホやタブレットの時間を奪う
できれば、外で遊ばせてあげるのが一番です。
スマホやタブレットよりも、「夢中になれるもの」があれば、そもそも心配は不要です。
スポーツの道具は、迷わず買ってあげても良いでしょう。
自転車や、釣り道具もです。
「体を動かす遊び」で満たしてあげれば、脳の発達にも有効です。[1][2]
- カロリーを消費することで、脳を保護しようとする働きが起きます。
- その他にも諸説ありますが、統計的にも間違いはありません。
他の遊びで、スマホやタブレットの時間を奪ってあげるのです。
さて、ロンドン大学の研究者らが、面白い研究結果を発表しています。
犬を飼っている家庭の子どもは、「平均11分ほど多く運動をしている」ことが判明したのです。
考えてみれば、スマホやタブレットの時間を奪う方法は、他にもたくさんあるのかもしれません。
依存や中毒を防ぐ方法
スマホやタブレットで、依存や中毒はあるのでしょうか?
科学者らは「スマホ依存」「スマホ中毒」といったラベルを貼るのに慎重です。
そもそも研究データが不足しているので、断言するのが難しいという背景もあります。
しかし理論的にも実際の事例でも、依存や中毒は「ありえる」と言えます。
依存や中毒には、快楽に関する脳の回路が関わります。
ほとんどゲーム依存と同じです。
以下の記事に、依存や中毒について、詳しく書いてあります。
これらの事例は、ゲームのように極端に熱中しなければ、中毒の心配はないとも言えます。
ゲームに、のめり込まなければ心配はないでしょう。
しかし最近は、SNSで依存しやすい環境が増えています。
「いいね」されることで、快楽の脳回路を刺激するからです。
子どもにスマホやタブレットを持たせる場合、依存や中毒を防ぐには、どうすれば良いでしょうか?
具体的な方法があります。
- 必ずパスワードをかける
- パスワードは、必ずかけましょう。
子どもに知られないように、親が管理します。
親だけが解除できるようにすれば、リビングでの管理も容易になります。 - 親と一緒にゲームをする
- なるべく、一緒に遊んであげることが大切です。
これらは、将来のコミュニケーション能力に影響します。
そして何で遊んでいるか、「年齢にふさわしいゲームか」を把握しましょう。 - 親が悪い見本を見せない
- 子どもは親の真似をします。
スマホばかりする親を見れば、スマホが気になってしまいます。
これは大人も一緒で、レストランで他人のメニューを欲しがるのと似ています。
日本やアメリカでも、「子どもが知らないうちに課金した」という事例があります。[※5]
やはりパスワードは必須です。
親は、「子どもがタブレットで、どんなことをしているか」を、知る必要があります。
マインクラフト[※]で遊んでいるのか、Youtubeの大人を見ているかは、大きく違います。
- 知的な要素も含むオンラインゲーム。
子どものタブレット・スマホの使用時間は?
子どもが「タブレットやスマホを使用する時間」について説明します。
世界各国の調査では、2時間で悪影響が出ると、報告されています。
コミュニケーション能力など、社会性に対して、悪影響が出るという内容です。
医師が推奨する使用時間
アメリカの小児科学会は、子どもに2時間以上、テレビやタブレットを見せないよう推奨しています。[※1]
そして2歳未満の子どもには「(可能な限り)画面を見せないようにすること」を勧めています。
日本小児科医会も同じです。
幼児期に「スマホやタブレットを、見せないようにすること」を推奨しています。
ただし誤解も、発生しています。
スマホやタブレットが悪いのではなく、親とコミュニケーションをすることが本当の意図です。
結局は体(五感)を使った遊びが、子どもの成長には有意です。
運動は、子どもの学力を向上させます。[※2][※]
- TIMSS(国際数学と科学研究の動向)やカリフォルニア州教育省の調査などによるもの
イギリスでの調査
厳しい研究報告があります。
2010年、イギリスのブリストル大学の研究者らが発表した研究です。[※]
- 10歳と11歳のイギリスの子ども、1,013人を対象に調査。
研究者らは、サッカーの練習やハイキングをしても、テレビやゲームで消費した時間を消す(相殺する)ことができないと言います。
テレビやゲームで2時間以上過ごすと、「社会性に悪影響を与えるリスク」が1.5倍に増えます。
例え運動を2時間足しても、テレビを見た2時間は、リセットできないようです。
研究者らは、子どもの運動を促進し、テレビやゲーム機をなるべく消すよう勧めています。
子どもには、テレビやスマホ、タブレットを長時間させないことが必要です。
何歳から(いつから)持たせるべきか?
前項のように、アメリカ小児科学会や、日本小児科医会では、2歳未満は禁止するべきと言います。
それでは、何歳から持たせても良いのでしょうか?
この答えは、環境や時代変化によって変わります。
結論が出ない問題のようです。
アメリカの子どもたちは、フェイスブックが必須になっています。
フェイスブックをLINEのように使っていて、連絡手段として必要だからです。
一切使わせないと、友人たちに連絡が取れなくなります。
子どもが「欲しがっていない」のであれば、与えなくても良いでしょう。
問題は、欲しがっている場合です。
衝動性は別の問題を生む
子どもは、大人よりも衝動的です。
困ったことに、強い衝動を押さえつけると、他の衝動が抑えられなくなります。[※]
- 『なぜ「つい」やってしまうのか 衝動と自制の科学』より
大人であればアルコールに走ったり、甘い食べ物の誘惑に負けます。
何かを押さえつけると、他の何かが抑えられなくなります。
これらは「強い衝動を抑制したとき」に、反動が起こります。
さらに、周りが騒ぐと、衝動性が高くなります。
このとき、親は決断を迫られます。
「みんな持っている」に注意
子どもは「みんな持っている」と言います。
みんなとは、何人でしょうか?
実は3人以上で「みんな」と言ってしまうのです。
これは4つ以上の個数が、(大人でも)具体的にイメージできないからです。[※6]
本当にみんな持っているかどうかは、調べてみないと分からないことです。
スマホやタブレットが子どもに与える悪影響
「スマホやタブレットが、子どもに与える悪影響」をまとめて紹介します。
信頼できる情報源に限り、抜き出しています。
実際は「悪影響がないのに、誤解されていること」があるので、それらも一緒に説明します。
依存と中毒
前項の通り、依存と中毒はありえます。
海外でも問題になっていますが、研究者らは慎重な姿勢です。[※]
- 信頼性の低い情報源だと「ある」と、断言しています
これらはスマホやタブレットが悪いのではなく、中身のコンテンツによって依存が起こります。
その他にも、「運動をしない遊びをしていると、ジャンクフードに手を出しやすい」という悪影響も報告されています。
ソーシャルメディアの悪影響
アメリカでは、フェイスブックによる悪影響が報告されています。
アメリカの小児科学会は、「フェイスブックとうつ症状」の関係性を報告しています。[※4]
メリーランド州の精神科医ブロディ博士は、フェイスブックが不要な嫉妬を生んでいると言います。
「友人が、自分よりも良い生活を送っている」ように、見えるそうです。
実際は違っていても、そう見えてしまうのが人間の心理です。
フェイスブックとうつ症状に、直接の関係性があるかは不明です。
それらを調査するのは、まだ困難です。
ネットいじめ
ネットいじめ(サイバーいじめ)の問題が、海外でも発生しています。
こちらも、スマホやタブレットが直接悪いのではありません。
ネットのありもしない中傷は、止める手段が見つからないのです。
そして昔のいじめと異なり、犯人すら分からず、数千人にまで広まってしまいます。
アメリカ小児科学会のグエン氏は、以下のように親ができる対策を述べています。
- ネットでの行動もリアルの行動と同じように、親が考えてあげること
- ネットでの生活についても会話すること
- コンピューターを捨てる必要はない
結局は、ネット環境をリビングに置くことで、これらの対策もしやすくなるでしょう。
視力は低下しない
「タブレットやスマホによる視力の低下」は、考えられません。
ゲームと視力については、以下の記事に詳しく書いてあります。
視力低下は関係がないと判明していますが、いまだに誤解が多い話です。[※]
- 視力低下の大きな要因は遺伝子です。
ブルーライトの問題
スマホやタブレットのブルーライトは、人体に悪い影響があります。
夜にブルーライトを見ると、体内時計が乱れます。
体内時計の乱れは、長期的な健康リスクを含みます。
目に悪いという点については、網膜に悪い影響が考えられています。
「ブルーライトが人体に与える影響と対策」については、以下の記事で詳しく書いています。
スマホを使うと睡眠障害になるという主張は、このブルーライトが原因です。
ブルーライトが体内時計を狂わせることで、睡眠障害が起きやすくなります。
ブルーライトは、LEDやテレビにも含まれています。
スマホやタブレットが、睡眠障害を直接引き起こすのではありません。
また、子どもには、多くの睡眠時間を必要とします。
就寝前には、ブルーライトを見ないようにして、睡眠を助けてあげてください。
電磁波の影響に科学的根拠はない
スマートフォンやタブレットを使うことで、電磁波が体に悪いというネットの情報があります。
子どもは、頭皮や頭蓋骨が薄いので、心配に思えるかもしれません。
しかし、これらには科学的な根拠が全くありません。
確かに「電磁波が健康に影響する」という研究報告はあります。
しかし、「いずれも信頼できるデータではない」と判明しています。[※3]
これらの研究データを見ると、携帯電話よりも高い電磁波が、実験用マウスに使用されています。
そのため、「熱による影響ではないか」という反論も出ています。
現実的にありえない量と時間を、実験用マウスに浴びせて「悪影響がある」としています。
常にスマホを頭に付けていれば、悪影響が「あるかもしれない」という程度のものです。
子どもにIT学習は必要か?
「幼児期からITに触れさせて、将来の天才を育てたい」というのは、上手くいかないかもしれません。
幼児期には、体を使った遊びが脳をより育てます。
特に有酸素運動と学力は、有意な相関があります。
これを否定するのは、難しい状況です。
さらにIQが高いだけでは、社会に出て困ることがあります。
親が積極的にコミュニケーションをとって、社会性を育てることが必要です。
早期学習は意味がない?
さらに「早期学習の優位性を示す研究データ」はありません。
幼児期に無理矢理ITに触れさせても、意味があるとは思えません。
4歳から義務教育を受けられるイギリスよりも、7歳で義務教育を受けられるスウェーデンや、フィンランドの学力は高いのです。[1]
さらに東大生は、4月生まれと3月生まれ(早生まれ)の割合に、差がありません。[2]
- 科学者らは、イギリスの教育制度を批判しています。
- プロスポーツの世界では、早生まれが少なくなります。
人間の暗記力は、小学校の高学年ぐらいでピークに達します。
この頃には、駅名や世界の都市名を全部覚えられる子どもが出現します。
これらのことから、「早期教育が天才を育てる」と、勘違いされやすいのかもしれません。[1]
興味がなくなれば、いずれ忘れてしまいます。[2]
- 音楽の才能は、早期の訓練が有意です。
- およそ2歳で、脳のニューロンやシナプスが最大となります。その後は減少していき、12歳の頃には、成人と同じレベルにまで減少します。
まとめ
子どもとデジタルメディアの問題は、もはや避けることができません。
子どもが「何に興味を持っているかを、見つけること」が大切です。
タブレットの中にあるゲームか、それとも創造力を発揮して何かを作りたいのか。
後者であれば、良い影響も考えられます。
Youtubeはテレビと同じように、悪い影響が強いでしょう。
ソーシャルメディアや、スマホ・タブレットのゲームは、中毒性が高く設計されています。
これは大人でも、辞められないことがあります。
子どもにはSNSの承認欲求よりも、親が褒めてあげることが大切なのかもしれません。
なお、ADHD(発達障害)とタブレット(スマホ)に関連するトピックスは、海外の信頼できる情報源からは見つかりませんでした。
私が知る限りの情報でも、ADHDを解消したり、逆に発症するようなことはなさそうです。
ワーキングメモリを改善するようなアプリはあるかもしれませんが、それらのアプリに期待するよりも、医師への相談が最優先です。
参考文献
この記事は以下の文献を参考に独自の解釈でまとめています。