一人旅でも平気な方法、一人旅のメリット【科学的な研究調査】

旅のイメージ

私は「一人旅をするメリット」が分かっていませんでした。
旅行は「仲間と過ごすことが楽しい」と思っていたのです。

今は違います。
いつも一人旅を計画しています。

なんとなく一人旅には、自分を成長させるイメージがあるかと思います。
自分探しの旅というのは、本当に効果があるのでしょうか?
実は科学的な研究調査もあります。

一人旅は精神的なメリットや、新しいアイデアを生むのに最適です。

それでも一人旅に抵抗のある人は多いはず。

この記事では「一人旅でも平気な方法」や「ちょっとしたコツ」についても説明します。

一人旅のメリット

大きな一歩を踏み出す女性

多くの心理的メリットがあります

私は一人旅について、お金や時間の無駄とは思いません。
以前の私は、どちらかと言えば一人旅に否定的でした。

いまは実際に一人旅をするようになって、精神面でのメリットを感じます。
近年、欧米でも一人旅(特に女性)のニーズは増えています。
そんなことから、意外にも科学的な研究調査も存在します。

まずは一人旅のメリットについて解説します。

科学的な調査報告

ひとり旅には「自由を満喫できる」というメリットがあります。
人間にとって「自由な時間」は必要です。(結婚した後も、個別の時間は大切です)

科学的な研究調査があります。
クイーンズランド工科大学ビアンキ教授による研究報告です。[参考文献※1]

この研究では、被験者に「どのように一人旅を楽しんだか、なぜ一人で旅をしたのか」という聞き取り調査を行っています。
一人旅を経験した人たちは「とても肯定的に旅を思い出す」ことができました。
孤独を感じることもなかったと答えました。

被験者らは、旅を一緒にする友人や家族がいましたが、一人旅を選んでいます。
自分自身を楽しませるのに、ひとりの旅行が一番良いと感じられたからです。

一人の時間を作る意味

心理療法士エイミー・モーリンは「ひとり旅はメンタルを高める」と言います。[1]

  1. エイミー・モーリンの著書「メンタルが強い人がやめた13の習慣」より。

また一人の時間を作ることで、精神的な強さを得られると言います。
幸福感を得ることができ、ストレス解消にも効果があります。

エイミーは、どんなに過密なスケジュールを持つ人でも、自分だけの時間をとる価値があると言います。

自分探しの旅ができます

ビアンキ教授は「一人旅は自分を発見するのに役立つ」と言います。
一人で行動することは、より自己をコントロールすることになります。

一人で海辺を歩く女性

自分を発見することができます

何かにコントロールされていませんか?

学校や会社に行けば、受動的な生活に偏ります。
これは仕方ありません。

よりよく精神を保つためには、自己をコントロールすることが必要です。

自分探しの旅は、本当に良いのかもしれません。
それは少なくとも、自分を発見するのに役立ちます。

自分の魅力を高めるために

一人旅は自己をコントロールして、行動するしかありません。
それは「他人への依存」を減らす効果があります。

他人に依存し、誰にでも従う人に魅力があるでしょうか?

一人で計画し、行動することが大切です。
無計画な旅は、自分の疲れや、気まぐれに左右されてしまいます。
旅の計画や、ちょっとした目的を設定した方が、自己の魅力を高めます。

一人で歩くことは脳に良い

ウォーキングは健康だけでなく、脳にも良い影響を与えます。
有酸素運動は記憶力を高め、より多くの脳細胞を構築します。[参考文献※2]

そして精神を健全に保つことができます。[参考文献※3]
ランニングの後に、気分がスッキリするのと同じです。

あなたのパートナーは、歩きたくないと思っているかもしれませんが、ひとりなら平気です。
一人旅は、あなたのペースで歩くことができます。

ひとり旅はやる気スイッチを押す

私は出張のときの新幹線で、妙に「やる気」が出ることに気づきました。
新幹線内だと、仕事がはかどります。

科学的な背景があります。

最初は、新しい場所に関する記憶が、脳を活性化させると思っていました。[1]

  1. 場所記憶ニューロン

しかし、これには根拠がありません。

運動がやる気を起こす

出張や旅に出たときの「妙なやる気」の正体は運動です。
以前から、運動とモチベーションには関係があると分かっています。

近年の研究で、運動に関わる脳部位が、やる気に関わると分かりました。[参考文献※4][1]

  1. 脳の大脳基底核がやる気を起こす

旅は気分をリフレッシュする効果だけでなく、やる気を引き起こす効果もあります。

楽しいことをイメージするだけで良い

やる気の発生源として、側坐核(そくざかく)という脳の部位があります。
作業を始めるだけで、側坐核は活動します。
(始めなければ、やる気も出ないということです)

もうひとつ、側坐核を動かす方法があります。

それが「楽しいことをイメージすること」です。[参考文献※5]

旅の移動中、私たちは「楽しいことをイメージ」しています。
ひとりの時では、なおさらです。

一人旅は、あなたのやる気を起こしてくれます。

一人旅は新しいアイデアを生みやすい

海辺で気分転換する女性

新しいアイデアをひらめきます

一人旅には、創造性を刺激するというメリットもあります。

「一人で過ごすこと」に加え、「適度に気を散らす環境」が得られるからです。

新しいアイデアは、記憶の断片同士を組み合わせることです。
この組み合わせが斬新であれば、新しいアイデアが生まれたと言えます。

科学的な背景があります。

適度に気を散らし、創造性を生むのに良いのは、騒音レベルが70デシベルの環境です。[参考文献※6]

それはちょうど、カフェと同じ騒音レベルです。
脳の電気信号ノイズは、(揺らぐことで)記憶の奥にある断片を繋げます。

公園での休憩や、歩いているときにアイデアを生むのは、こういった科学的な背景があります。

一人旅は、新しいアイデアを生むのに最適です。

国内での調査

エクスペディアさんのサイトでは、400人を対象にした調査結果を公開しています。

https://welove.expedia.co.jp/press/27106/

これを見る限り、やはり一人旅には大きなメリットがあります。

一人旅でも平気な方法

一人で食事をする女性

一人旅を楽しむコツがあります

精神的なメリットから、欧米でも一人旅が注目されています。
やはり私たちと同じように、一人だと見られることに抵抗があるようです。

しかし実際に旅をすれば、気になりません。

私も見られるのが恥ずかしくて、一人旅に抵抗がありました。
どのように克服したか、そのアイデアを紹介します。

自己中心性バイアス

自己中心性バイアスは、(他人よりも)自分のしたことが強く印象に残るバイアスです。[参考文献※7]

一人を見られるのが「恥ずかしい」という感情には、この認知バイアスが働いています。

周囲の人たちは、一人でいる旅行者を気にしていません。
そして記憶に残りません。

このバイアスを知っておくと、早くひとりに慣れることができます。

【バイアス】あなたが知るべき13の認知バイアス(人生に役立つものだけ)

【バイアス】あなたが知るべき13の認知バイアス(人生に役立つものだけ)

東京は一人で過ごしやすい

私は自分の仕事を持つようになって、首都圏への出張が増えました。
東京は一人で過ごしやすい街です。
休日を挟んで打ち合わせをすることもあり、観光もするようになりました。

東京で過ごすと、食事も一人に慣れます。
まずは東京で「ひとりに慣れる」という手があります。

ジャケットを着る

出張のついでに、観光地へ寄るのは珍しくありません。
ジャケットを羽織れば、ビジネス感が出ます。

ビジネスライクな服装で、旅行をするのも手です。

食事

カフェの窓際

欧米でも、一人の食事には抵抗があるようです。
海外の一人旅のサイトでは「カフェのオープンテラスを利用すると良い」とあります。
(日本人にはオープンテラスは、なじめないかもしれません)

あらかじめ、個室や間仕切りのあるレストランを選ぶのが良いでしょう。
探せばビジネスホテルでも「部屋で食事ができるタイプ」のルームサービスがあります。

次第に慣れるので、カウンター席でも平気で食事ができます。

本があると良い

注文の待ち時間には、本があると便利です。
本に集中できるからです。

またスマホをいじるよりも、余裕があるように見られます。

カメラを持つ

カメラを持つと、一人でも自然に見えます。
しっかりとした機材を持てば、より撮影目的に見られます。
(私はミラーレスカメラを持つことが多いです)

一人旅でオススメの場所

海が見える景色

もし、あなたが憂鬱な気分になったときは、旅に出ましょう。
幸福感に関連する多くの研究では、共通していることがあります。
それは「モノ」よりも、「経験」にお金を払うことで、幸福感を得られるということです。

これは、旅が心を癒やす理由のひとつです。

自然のある場所は幸福感を得やすい

もし、嫌なことが頭から離れないのであれば、自然のある場所に行きましょう。

これは、2013年に「英国スポーツ医学雑誌」に掲載された研究です。[参考文献※9]
近所にある公園であっても、緑のあふれる場所を散歩するだけで、精神的な疲労を軽減させることができます。

海を見るとストレスが軽減する

海を見ると、精神が癒やされます。

これは、2016年に「Health and Place(公衆衛生学の雑誌)」に掲載された研究です。[参考文献※10]
海が見える場所に住むと、内面的なストレスが緩和されるという研究です。

オーシャンビューのホテルに泊まることで、精神的な疲労を軽減できる可能性があります。

長崎がオススメ

長崎の港

長崎は独特の景色が楽しめます

国内の地方都市は、どこも似ている傾向があります。

できるだけ、見た目の異なる場所がオススメです。
京都や富士山のある静岡・山梨などは、定番とはいえ刺激があります。
広島の尾道や鞆の浦も情緒があります。

精神的な安らぎを求めるのであれば、沖縄(石垣島)、北海道、屋久島が素晴らしいです。
海外のサイトで「精神的に良い旅行地」に取り上げられるのは、スイスです。
やはり自然に恵まれて、利便性が高い場所が選ばれています。

私は長崎の街が、他の都市と異なっていて好きです。
グラバー園はメジャーな観光地ですが、一人の旅行者もいます。

実はハウステンボスも、平日なら行きやすいかもしれません。
私は一人の旅行者を見かけたことがあります。

案外、中国からの観光客も多いので、他人の目も気になりにくいです。

旅で写真を撮るメリット

カメラと女性

写真は心理的なメリットがあります

私は「カメラを持って旅に出る」のをオススメします。
写真を撮ると、旅の楽しみが増えます。

旅で写真を撮ることは、精神的な効果があります。
科学的な背景など、写真を撮るメリットについて説明します。

写真を撮ると心理的なメリットがあります

写真を撮ることで、心理的なメリットが得られます。
写真を撮るという行為自体、楽しさが増すという心理効果があるのです。

以下に研究報告があります。

写真を撮った人は、写真を撮らなかった人よりも、その体験を楽しむことができます。
これは米国の心理学会にて報告されました。[参考文献※8]

旅の途中、歩いていると見過ごすものがたくさんあります。
しかし写真を撮れば、被写体に注目することが増えます。
なるべく多くの視覚情報を記憶に入れることができます。

より多くの景色に注目することで、旅の体験を楽しむことができるのです。

写真を見返すメリット

後日、写真を見返すことで、旅の記憶を引き出すことができます。
旅の良い記憶を引き出せば、それだけで幸福感を得られます。

良い思い出が、嫌な思い出を上書きしてくれます。

嫌なことを忘れる良い方法【科学的な手法】

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旅に最適なカメラ

カメラがなければ、スマートフォンでも構いません。

ボケのある写真だったり、迫力のある風景を撮るには、やはり専用のカメラが必要です。

旅にはミラーレスカメラがオススメです。
軽量な上、一眼レフと同等の写真が撮れます。

スマートフォンでは、ボケのある写真を撮るのが難しくなります。

テラス席でコーヒータイム

ちょっとした食事でさえ、背景がボケると雰囲気がでます。

レンズは標準ズーム

レンズは「標準ズーム」タイプがオススメです。
動物園や水族館[1]であれば、望遠レンズが必要です。

  1. カメラのフラッシュは厳禁です。

その場合は「便利ズーム」タイプのレンズがオススメです。

単焦点レンズは、上級者向けです。最初はオススメできません。

一人旅に持って行くと便利なもの

トランクとカメラ

荷物のチェックリストを作ると便利です

一人旅に持って行くと便利なものを紹介します。

  • 名刺
  • 電源タップ
  • 本(タブレット)
  • ボディタオル
  • ホテル用wifi
  • ホワイトノイズヘッドフォン
  • モバイルバッテリー

どのような場面で必要になるか説明します。

名刺

SNSのアカウントや、フリーメールの名刺があると便利です。
旅先で出会った人に渡す用途です。

写真を撮っていると、まれに話しかけられることもあります。
そういった場合、インスタグラムなどのアカウントを教えるのに便利です。
名刺があった方が、他人でも話が進みます。

電源タップ

ホテルはもちろん、電源タップは新幹線でも活躍します。
本当にまれですが、B席やC席で電源を使う人もいます。
電源タップがあれば、不快な思いはしなくて済みます。

本(タブレット)

移動中はもちろん、食事などの待ち時間でも必要です。
電子書籍にすれば、荷物を減らすのに便利です。

ボディタオル

ホテルにボディタオルがあるとは限りません。
旅に必要なほとんどのアイテムは、コンビニで買えます。
しかしボディタオルが、コンビニにない場合もあります。

ホテル用wifi

LANケーブルしかないホテルは、まだまだ多いです。
「ホテル用wifi」と呼ばれる小型のルーターがあると便利です。

ホワイトノイズヘッドフォン(ノイズキャンセル)

新幹線や飛行機での移動中、子どもの声が気になるかもしれません。
ホワイトノイズのヘッドフォンは、見事に周囲の音を消します。
(私には必須です)

ノイズキャンセル機能のあるスマホでは、ノイズキャンセルヘッドフォンと組み合わせて、周囲の音を消せます。

どれもない場合、雨の音が聞けるアプリを使う方法もあります。

出会いはあるか?

海を見る女性

出会いについて、過度に期待すべきではありません。
出会いがあるのは、本当にまれだからです。

あまり期待すると、旅の後の満足感が減ってしまいます。
あくまで旅を楽しむのが目的です。

私は写真を撮っていると、同じく写真を撮りに来た人から、話しかけられることがあります。
インスタグラムやブログの名刺があると、本当に助かります。

この記事の要点

夕日を浴びる女性

一人旅はあなたの心を癒やします

一人旅は、あなたの精神を鍛えてくれます。

無理に自転車で日本を一周する必要はありません。
(いろんな出会いがあるので良いかもしれませんが)

もっと気楽な一人旅で、自分探しをすることができます。
科学はそれを否定しません。

仕事で失敗をして

私は一人旅に、精神的なメリットを感じたことがあります。

昔、仕事で失敗をしたときのことです。
クライアントは、私をかばってくれましたが、会社としては大きな問題でした。

テレビを見ると、失敗したプロジェクトのCMが流れるのです。
私は家で過ごすと辛いので、少しでも考えないように、カメラを持って遠出しました。

宿泊した港町は、素晴らしい景色でした。
あきらかに精神が癒やされる思いがしました。

みなさんは精神的にきつくなったとき、どうしていますか?
一人旅は、上手く作用するかもしれません。

参考文献

この記事は以下の文献を参考にして、独自の解釈でまとめています。

  1. Solo Holiday Travellers: Motivators and Drivers of Satisfaction and Dissatisfaction
  2. Exercise Makes Mice Smarter, Salk Scientists Demonstrate
  3. Exercise for depression.
  4. 脳内にある、やる気のスイッチを発見
  5. Control of nucleus accumbens activity with neurofeedback.
  6. Is Noise Always Bad? Exploring the Effects of Ambient Noise on Creative Cognition
  7. The spotlight effect in social judgment: An egocentric bias in estimates of the salience of one’s own actions and appearance.
  8. Take a Picture, You’ll Enjoy It More
  9. Nature experience reduces rumination and subgenual prefrontal cortex activation
  10. Residential exposure to visible blue space (but not green space) associated with lower psychological distress in a capital city.
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