私は「一人旅をするメリット」が分かっていませんでした。
旅行は「仲間と過ごすことが楽しい」と思っていたのです。
今は違います。
いつも一人旅を計画しています。
なんとなく一人旅には、自分を成長させるイメージがあるかと思います。
自分探しの旅というのは、本当に効果があるのでしょうか?
実は科学的な研究調査もあります。
一人旅は精神的なメリットや、新しいアイデアを生むのに最適です。
それでも一人旅に抵抗のある人は多いはず。
この記事では「一人旅でも平気な方法」や「ちょっとしたコツ」についても説明します。
一人旅のメリット
![大きな一歩を踏み出す女性](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_merit.jpg)
多くの心理的メリットがあります
私は一人旅について、お金や時間の無駄とは思いません。
以前の私は、どちらかと言えば一人旅に否定的でした。
いまは実際に一人旅をするようになって、精神面でのメリットを感じます。
近年、欧米でも一人旅(特に女性)のニーズは増えています。
そんなことから、意外にも科学的な研究調査も存在します。
まずは一人旅のメリットについて解説します。
科学的な調査報告
ひとり旅には「自由を満喫できる」というメリットがあります。
人間にとって「自由な時間」は必要です。(結婚した後も、個別の時間は大切です)
科学的な研究調査があります。
クイーンズランド工科大学ビアンキ教授による研究報告です。[参考文献※1]
この研究では、被験者に「どのように一人旅を楽しんだか、なぜ一人で旅をしたのか」という聞き取り調査を行っています。
一人旅を経験した人たちは「とても肯定的に旅を思い出す」ことができました。
孤独を感じることもなかったと答えました。
被験者らは、旅を一緒にする友人や家族がいましたが、一人旅を選んでいます。
自分自身を楽しませるのに、ひとりの旅行が一番良いと感じられたからです。
一人の時間を作る意味
心理療法士エイミー・モーリンは「ひとり旅はメンタルを高める」と言います。[1]
- エイミー・モーリンの著書「メンタルが強い人がやめた13の習慣」より。
また一人の時間を作ることで、精神的な強さを得られると言います。
幸福感を得ることができ、ストレス解消にも効果があります。
エイミーは、どんなに過密なスケジュールを持つ人でも、自分だけの時間をとる価値があると言います。
自分探しの旅ができます
ビアンキ教授は「一人旅は自分を発見するのに役立つ」と言います。
一人で行動することは、より自己をコントロールすることになります。
![一人で海辺を歩く女性](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_solo.jpg)
自分を発見することができます
何かにコントロールされていませんか?
学校や会社に行けば、受動的な生活に偏ります。
これは仕方ありません。
よりよく精神を保つためには、自己をコントロールすることが必要です。
自分探しの旅は、本当に良いのかもしれません。
それは少なくとも、自分を発見するのに役立ちます。
自分の魅力を高めるために
一人旅は自己をコントロールして、行動するしかありません。
それは「他人への依存」を減らす効果があります。
他人に依存し、誰にでも従う人に魅力があるでしょうか?
一人で計画し、行動することが大切です。
無計画な旅は、自分の疲れや、気まぐれに左右されてしまいます。
旅の計画や、ちょっとした目的を設定した方が、自己の魅力を高めます。
一人で歩くことは脳に良い
ウォーキングは健康だけでなく、脳にも良い影響を与えます。
有酸素運動は記憶力を高め、より多くの脳細胞を構築します。[参考文献※2]
そして精神を健全に保つことができます。[参考文献※3]
ランニングの後に、気分がスッキリするのと同じです。
あなたのパートナーは、歩きたくないと思っているかもしれませんが、ひとりなら平気です。
一人旅は、あなたのペースで歩くことができます。
ひとり旅はやる気スイッチを押す
私は出張のときの新幹線で、妙に「やる気」が出ることに気づきました。
新幹線内だと、仕事がはかどります。
科学的な背景があります。
最初は、新しい場所に関する記憶が、脳を活性化させると思っていました。[1]
- 場所記憶ニューロン
しかし、これには根拠がありません。
運動がやる気を起こす
出張や旅に出たときの「妙なやる気」の正体は運動です。
以前から、運動とモチベーションには関係があると分かっています。
近年の研究で、運動に関わる脳部位が、やる気に関わると分かりました。[参考文献※4][1]
- 脳の大脳基底核がやる気を起こす
旅は気分をリフレッシュする効果だけでなく、やる気を引き起こす効果もあります。
楽しいことをイメージするだけで良い
やる気の発生源として、側坐核(そくざかく)という脳の部位があります。
作業を始めるだけで、側坐核は活動します。
(始めなければ、やる気も出ないということです)
もうひとつ、側坐核を動かす方法があります。
それが「楽しいことをイメージすること」です。[参考文献※5]
旅の移動中、私たちは「楽しいことをイメージ」しています。
ひとりの時では、なおさらです。
一人旅は、あなたのやる気を起こしてくれます。
一人旅は新しいアイデアを生みやすい
![海辺で気分転換する女性](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_image.jpg)
新しいアイデアをひらめきます
一人旅には、創造性を刺激するというメリットもあります。
「一人で過ごすこと」に加え、「適度に気を散らす環境」が得られるからです。
新しいアイデアは、記憶の断片同士を組み合わせることです。
この組み合わせが斬新であれば、新しいアイデアが生まれたと言えます。
科学的な背景があります。
適度に気を散らし、創造性を生むのに良いのは、騒音レベルが70デシベルの環境です。[参考文献※6]
それはちょうど、カフェと同じ騒音レベルです。
脳の電気信号ノイズは、(揺らぐことで)記憶の奥にある断片を繋げます。
公園での休憩や、歩いているときにアイデアを生むのは、こういった科学的な背景があります。
一人旅は、新しいアイデアを生むのに最適です。
国内での調査
エクスペディアさんのサイトでは、400人を対象にした調査結果を公開しています。
これを見る限り、やはり一人旅には大きなメリットがあります。
一人旅でも平気な方法
![一人で食事をする女性](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_dinner.jpg)
一人旅を楽しむコツがあります
精神的なメリットから、欧米でも一人旅が注目されています。
やはり私たちと同じように、一人だと見られることに抵抗があるようです。
しかし実際に旅をすれば、気になりません。
私も見られるのが恥ずかしくて、一人旅に抵抗がありました。
どのように克服したか、そのアイデアを紹介します。
自己中心性バイアス
自己中心性バイアスは、(他人よりも)自分のしたことが強く印象に残るバイアスです。[参考文献※7]
一人を見られるのが「恥ずかしい」という感情には、この認知バイアスが働いています。
周囲の人たちは、一人でいる旅行者を気にしていません。
そして記憶に残りません。
このバイアスを知っておくと、早くひとりに慣れることができます。
東京は一人で過ごしやすい
私は自分の仕事を持つようになって、首都圏への出張が増えました。
東京は一人で過ごしやすい街です。
休日を挟んで打ち合わせをすることもあり、観光もするようになりました。
東京で過ごすと、食事も一人に慣れます。
まずは東京で「ひとりに慣れる」という手があります。
ジャケットを着る
出張のついでに、観光地へ寄るのは珍しくありません。
ジャケットを羽織れば、ビジネス感が出ます。
ビジネスライクな服装で、旅行をするのも手です。
食事
![カフェの窓際](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_cafe.jpg)
欧米でも、一人の食事には抵抗があるようです。
海外の一人旅のサイトでは「カフェのオープンテラスを利用すると良い」とあります。
(日本人にはオープンテラスは、なじめないかもしれません)
あらかじめ、個室や間仕切りのあるレストランを選ぶのが良いでしょう。
探せばビジネスホテルでも「部屋で食事ができるタイプ」のルームサービスがあります。
次第に慣れるので、カウンター席でも平気で食事ができます。
本があると良い
注文の待ち時間には、本があると便利です。
本に集中できるからです。
またスマホをいじるよりも、余裕があるように見られます。
カメラを持つ
カメラを持つと、一人でも自然に見えます。
しっかりとした機材を持てば、より撮影目的に見られます。
(私はミラーレスカメラを持つことが多いです)
一人旅でオススメの場所
![海が見える景色](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/traveling-alone_new1.jpg)
もし、あなたが憂鬱な気分になったときは、旅に出ましょう。
幸福感に関連する多くの研究では、共通していることがあります。
それは「モノ」よりも、「経験」にお金を払うことで、幸福感を得られるということです。
これは、旅が心を癒やす理由のひとつです。
自然のある場所は幸福感を得やすい
もし、嫌なことが頭から離れないのであれば、自然のある場所に行きましょう。
これは、2013年に「英国スポーツ医学雑誌」に掲載された研究です。[参考文献※9]
近所にある公園であっても、緑のあふれる場所を散歩するだけで、精神的な疲労を軽減させることができます。
海を見るとストレスが軽減する
海を見ると、精神が癒やされます。
これは、2016年に「Health and Place(公衆衛生学の雑誌)」に掲載された研究です。[参考文献※10]
海が見える場所に住むと、内面的なストレスが緩和されるという研究です。
オーシャンビューのホテルに泊まることで、精神的な疲労を軽減できる可能性があります。
長崎がオススメ
![長崎の港](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_ship.jpg)
長崎は独特の景色が楽しめます
国内の地方都市は、どこも似ている傾向があります。
できるだけ、見た目の異なる場所がオススメです。
京都や富士山のある静岡・山梨などは、定番とはいえ刺激があります。
広島の尾道や鞆の浦も情緒があります。
精神的な安らぎを求めるのであれば、沖縄(石垣島)、北海道、屋久島が素晴らしいです。
海外のサイトで「精神的に良い旅行地」に取り上げられるのは、スイスです。
やはり自然に恵まれて、利便性が高い場所が選ばれています。
私は長崎の街が、他の都市と異なっていて好きです。
グラバー園はメジャーな観光地ですが、一人の旅行者もいます。
実はハウステンボスも、平日なら行きやすいかもしれません。
私は一人の旅行者を見かけたことがあります。
案外、中国からの観光客も多いので、他人の目も気になりにくいです。
旅で写真を撮るメリット
![カメラと女性](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_photo.jpg)
写真は心理的なメリットがあります
私は「カメラを持って旅に出る」のをオススメします。
写真を撮ると、旅の楽しみが増えます。
旅で写真を撮ることは、精神的な効果があります。
科学的な背景など、写真を撮るメリットについて説明します。
写真を撮ると心理的なメリットがあります
写真を撮ることで、心理的なメリットが得られます。
写真を撮るという行為自体、楽しさが増すという心理効果があるのです。
以下に研究報告があります。
写真を撮った人は、写真を撮らなかった人よりも、その体験を楽しむことができます。
これは米国の心理学会にて報告されました。[参考文献※8]
旅の途中、歩いていると見過ごすものがたくさんあります。
しかし写真を撮れば、被写体に注目することが増えます。
なるべく多くの視覚情報を記憶に入れることができます。
より多くの景色に注目することで、旅の体験を楽しむことができるのです。
写真を見返すメリット
後日、写真を見返すことで、旅の記憶を引き出すことができます。
旅の良い記憶を引き出せば、それだけで幸福感を得られます。
良い思い出が、嫌な思い出を上書きしてくれます。
旅に最適なカメラ
カメラがなければ、スマートフォンでも構いません。
ボケのある写真だったり、迫力のある風景を撮るには、やはり専用のカメラが必要です。
旅にはミラーレスカメラがオススメです。
軽量な上、一眼レフと同等の写真が撮れます。
スマートフォンでは、ボケのある写真を撮るのが難しくなります。
![テラス席でコーヒータイム](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_photo3.jpg)
ちょっとした食事でさえ、背景がボケると雰囲気がでます。
レンズは標準ズーム
レンズは「標準ズーム」タイプがオススメです。
動物園や水族館[1]であれば、望遠レンズが必要です。
- カメラのフラッシュは厳禁です。
その場合は「便利ズーム」タイプのレンズがオススメです。
単焦点レンズは、上級者向けです。最初はオススメできません。
一人旅に持って行くと便利なもの
![トランクとカメラ](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_camera.jpg)
荷物のチェックリストを作ると便利です
一人旅に持って行くと便利なものを紹介します。
- 名刺
- 電源タップ
- 本(タブレット)
- ボディタオル
- ホテル用wifi
- ホワイトノイズヘッドフォン
- モバイルバッテリー
どのような場面で必要になるか説明します。
名刺
SNSのアカウントや、フリーメールの名刺があると便利です。
旅先で出会った人に渡す用途です。
写真を撮っていると、まれに話しかけられることもあります。
そういった場合、インスタグラムなどのアカウントを教えるのに便利です。
名刺があった方が、他人でも話が進みます。
電源タップ
ホテルはもちろん、電源タップは新幹線でも活躍します。
本当にまれですが、B席やC席で電源を使う人もいます。
電源タップがあれば、不快な思いはしなくて済みます。
本(タブレット)
移動中はもちろん、食事などの待ち時間でも必要です。
電子書籍にすれば、荷物を減らすのに便利です。
ボディタオル
ホテルにボディタオルがあるとは限りません。
旅に必要なほとんどのアイテムは、コンビニで買えます。
しかしボディタオルが、コンビニにない場合もあります。
ホテル用wifi
LANケーブルしかないホテルは、まだまだ多いです。
「ホテル用wifi」と呼ばれる小型のルーターがあると便利です。
ホワイトノイズヘッドフォン(ノイズキャンセル)
新幹線や飛行機での移動中、子どもの声が気になるかもしれません。
ホワイトノイズのヘッドフォンは、見事に周囲の音を消します。
(私には必須です)
ノイズキャンセル機能のあるスマホでは、ノイズキャンセルヘッドフォンと組み合わせて、周囲の音を消せます。
どれもない場合、雨の音が聞けるアプリを使う方法もあります。
出会いはあるか?
![海を見る女性](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_sea.jpg)
出会いについて、過度に期待すべきではありません。
出会いがあるのは、本当にまれだからです。
あまり期待すると、旅の後の満足感が減ってしまいます。
あくまで旅を楽しむのが目的です。
私は写真を撮っていると、同じく写真を撮りに来た人から、話しかけられることがあります。
インスタグラムやブログの名刺があると、本当に助かります。
この記事の要点
![夕日を浴びる女性](https://no-mark.jp/wp-content/uploads/2017/09/trip_solo2.jpg)
一人旅はあなたの心を癒やします
一人旅は、あなたの精神を鍛えてくれます。
無理に自転車で日本を一周する必要はありません。
(いろんな出会いがあるので良いかもしれませんが)
もっと気楽な一人旅で、自分探しをすることができます。
科学はそれを否定しません。
仕事で失敗をして
私は一人旅に、精神的なメリットを感じたことがあります。
昔、仕事で失敗をしたときのことです。
クライアントは、私をかばってくれましたが、会社としては大きな問題でした。
テレビを見ると、失敗したプロジェクトのCMが流れるのです。
私は家で過ごすと辛いので、少しでも考えないように、カメラを持って遠出しました。
宿泊した港町は、素晴らしい景色でした。
あきらかに精神が癒やされる思いがしました。
みなさんは精神的にきつくなったとき、どうしていますか?
一人旅は、上手く作用するかもしれません。
参考文献
この記事は以下の文献を参考にして、独自の解釈でまとめています。
- Solo Holiday Travellers: Motivators and Drivers of Satisfaction and Dissatisfaction
- Exercise Makes Mice Smarter, Salk Scientists Demonstrate
- Exercise for depression.
- 脳内にある、やる気のスイッチを発見
- Control of nucleus accumbens activity with neurofeedback.
- Is Noise Always Bad? Exploring the Effects of Ambient Noise on Creative Cognition
- The spotlight effect in social judgment: An egocentric bias in estimates of the salience of one’s own actions and appearance.
- Take a Picture, You’ll Enjoy It More
- Nature experience reduces rumination and subgenual prefrontal cortex activation
- Residential exposure to visible blue space (but not green space) associated with lower psychological distress in a capital city.