集中力を高める方法まとめ! 勉強も仕事も集中力が続かない人は必見

勉強に集中している学生

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集中力がない人はいません。
誰だって好きなことには集中できるものです。
問題となるのは、集中力が続くか、続かないかです。
これは個人差があり、年齢も影響します。

私は集中力が続かない方でした。
しかし徹底的に環境を改善し、トレーニングすることでかなりマシになったと実感しています。

この記事では集中力アップについて、多くの方法を紹介します。
すべてを実践しなくて大丈夫です。
「やる気」と「記憶」は勉強や仕事で結果を出すのに必要ですが、今回の記事では集中力に的を当てます。

自身の経験と多くの文献から、他のサイトにはない情報を豊富に取り入れました。

集中力とは何かを理解する

考えことをしている女性

集中力ってなに? 普通は考えないですよね。

本来、動物にとって注意力は大切ですが、集中力は天敵から身を守るのに不自然なものです。
何かに集中することは危険な行為のはずです。

なぜそのような能力が動物にあるのでしょうか?
それは狩りをしたり、漁をするのに必要だからと考えるのが自然です。
そうであれば本気で集中できる時間は、もっと短いのかもしれません。
まずは集中力が何かを理解しましょう。

人間の思考と行動には、決まった順番があります。
この順番を知ることで、集中力を上げる意味や効果を知り、より効果的な方法を見つけることができます。

神経心理ピラミッドから学ぶ

私たちの集中力は、脳と身体のどのタイミングで必要になるのでしょうか?
神経心理ピラミッドという考え方があります。
ニューヨーク大学ラスク研究所が脳機能を損傷した患者さんのリハビリテーションに使うための図です。

神経心理ピラミッド

※ニューヨーク大学ラスク研究所の神経心理ピラミッドを当記事用に改編しています。最下層の身体は当記事用に加えたものです。また、最新の神経心理ピラミッドでは、「自己の気づき」の場所が「受容」となり、最上部は自己同一性となります。

この図で重要なことは、下層がしっかりしてないと、その上の層に影響がでるということです。
つまり、最下層の身体が整っていなければ、やる気も集中力も記憶もパフォーマンスを発揮できないことになります。
それでは下から順番に見ていきましょう。

身体(本来の神経心理ピラミッドにはない)
身体が健康でなければ、集中力も注意力も弱くなります。病気に掛かると集中力が続かないのは、誰もが経験しているでしょう。
身体は重要な意味を持ちます。なぜなら体調だけでなく、姿勢などの些細な身体状況でも上の層に影響するからです。
年齢を重ねると集中力が衰えますが、脳の衰えが原因ではありません。体力が衰えるから脳の機能が衰えたように感じるのです。
※身体は重要な要素のため、当記事用に加えました。
心的エネルギー
心的エネルギーとは、頭がさえていて、精神が疲れていない状態を指します。眠い状態では上の層が機能しません。
やる気・モチベーション
やる気とモチベーションがあれば、集中力を続かせることができます。人間は楽しいことには集中できるのです。
楽しくなくても、やる気とモチベーションは自己でコントロールが可能です。
集中力・注意力
体、心、やる気の上にあるのが集中力です。注意力も同じ階層にありますので、両方とも似た精神構造を持っていることが分かります。
集中力や注意力を手に入れたい場合、この層自体も大切ですが、ここより下の層を見直すことで解決しやすくなります。
脳が外部からの情報を認知するために必要な機能と言えるでしょう。
情報処理
視覚、聴覚、嗅覚、肌の感触を通して、上の層の記憶に入ります。相手とコミュニケーションをするのもこの層です。
集中力がなければ、あいまいな情報が脳の記憶に入ってしまいます。
記憶
記憶は覚えることだけでなく、取り出せることも合わせて記憶です。集中力、情報処理能力に大きく影響します。
遂行機能
計画や行動にあたります。
気づき
神経心理ピラミッドは、脳障害のリハビリテーションに使う図のため、頂上は自分の状態に「気づく」となっています。
さて、左側にも気づきの矢印が上向きにありますが、これは各層でそれぞれ自身が気づくことで、上の層の機能が強化されるのを意味しています。

ピラミッドの下から4番目に、目的の集中力がありました。
私たちは集中力を鍛えたいとなったとき、目的の層を直接的にどうにかしようと考えます。
それでも間違ってはいませんが、その下層の問題には気づきにくいものです。

集中力を上げる目的が、上の層にある処理能力や記憶の向上だと神経心理ピラミッドから確認できたかと思います。

年齢によって集中力の限界は変化する

いろんな年齢の子どもたち

人が何かに集中できる時間は、平均で40分から50分程度と言われています。
これは年齢によって変わるもので、学校の授業時間が参考になります。
小学校の授業時間は40分〜45分。中学校、高校では50分〜60分。大学では90分ですね。
つまり成人であれば90分程度は集中力を持続させたいところです。

そう考えると、人間が集中力を発揮できる限界は90分ですので、90分以内には休憩や気分転換が必要となります。

【雑学】休憩は他人のタイミングですると効果的

勉強や仕事の効率を上げる休憩は、自らの意思より他人のタイミングで休憩するのが効果的です。あと何分で休憩できるとか、意識が時間に向かないからだと思いますが、実際は難しいですよね。意識が邪魔するのであれば、後半で紹介するタイマーアプリが良いですよ!

集中力の波

ネットを検索すると、集中力は15分ごとに強くなったり弱くなったりする波があるそうですが、科学的な根拠や論文は見つかりませんでした。
私は15分周期を気にする必要性はないと思います。
成人であれば、あいだに気分転換をするとしても、やはり90分を目標にしたいところです。

集中力がない、もしくは集中力が続かない原因は?

集中力が続かない原因は、何かに意識を奪われることにあります。
実はこれ、自分では気づきにくいものです。
何かに意識を奪われていることに気がつかず、自分は集中力がないと思い込んでしまうのです。

その「意識を奪うもの」というのは、人によって違います。
認知特性という能力が関わってきます。

認知特性で集中できないものを特定する

認知特性で分けられた人たち

認知特性で自分を知りましょう!

医学博士の本田真美先生が発案された認知特性診断は、自分が何によって集中できないかを特定するのに役立ちます。
集中力が続かない理由は、視覚や聴覚だったり、人によって個人差があるものです。
認知特性については前回の記事で詳しく書きましたのでこちらをご参考ください。

認知特性は視覚優位タイプ、言語優位タイプ、聴覚優位タイプに分かれます。
集中力に関わるのは、視覚優位タイプと聴覚優位タイプです。

  • 視覚優位タイプの人は、視覚に入る情報によって邪魔をされます。
  • 聴覚優位タイプの人は、聴覚に入る情報によって邪魔をされます。

視覚優位タイプと聴覚優位タイプの違い

何も集中できない人

視覚で集中できない人は、外の景色や動くものに敏感です。私もそうです。
このタイプの人は、耳に雑音が入っても集中できる反面、机の周りにモノがあっただけでも集中できません。

視覚ではなく聴覚で集中できない人は、周囲の雑音に敏感です。
個人差はありますが、他人の鉛筆の書く音さえ、気になってしまいます。
その反面、視覚情報に影響をあまり受けない傾向にあります。
子どもの頃、黒板を引っ掻いても無表情でいられる子がいるのも、それぞれに認知特性があるからです。

まずは自分が聴覚によって集中できないのか、それとも視覚によって集中できないのかを意識して見つけましょう。

効果抜群!集中力を低下させない環境まとめ

それでは集中力を続けさせる具体的な方法を紹介していきます。
私は認知特性によって、自分が視覚タイプだと知ったことで、絶大な効果が得られました。

仕事に集中している人

環境整備は効果が実感できて簡単な方法なのです。

まずは集中力を高める環境を作りましょう。
できることすべてを洗い出しましたので紹介します。

机の周りを片付ける

視覚で集中できない人に有効。
勉強机や作業台の上はもちろん、目に入る情報を徹底的に削ります。

特にマンガやスマホは視界に入らないようにします。
仕事のデスクにフィギュアやミニチュアを置く人は多いですが、これも視覚情報なので視覚から排除します。私は視覚タイプなので、高い効果を得られました。

雑音が気になる人はヘッドフォンを使う

視覚で集中できない人に有効。
周囲の雑音が気になると、ヘッドフォンか耳栓ぐらいしか対策がありません。
仕事中は難しいのですが、何とか認知特性を理解していただき、そういった環境で仕事ができると良いのですが・・・。

ホワイトノイズは効果大

雑音を消すのに最適なのは、ホワイトノイズです。
ホワイトノイズは様々な周波数を組み合わせた音です。
そのため、すべての音を打ち消す効果があります。

ちょうど雨の音に似ています。
雨の音は、人間がぐっすり寝られるほど快適で集中できる音です。
私は「Relax Melodies」というアプリを使っています。

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監視される場所に身を置く

勉強はリビングでするのが良いとよく言われます。
これは親の目に入ることで、自制心や秩序を守る精神が働き、だらけるのを防ぐことができます。

社会人になってからは、秩序性は大変重要な要素となります。
自らの意志で自制したり秩序を守ることは、どんな能力にもプラスに働きます。

秩序性が高いと、会社に自分以外は誰も居ない状態になっても、だらけたりせず普段と同じように自分を置くことができます。

カフェ、図書館、最適な場所は個人差がある

カフェテラス

人間観察が趣味って人は、おそらく視覚優位タイプ。
私も景色を見るだけで飽きない……。

視覚優位タイプは、迷惑にならなければカフェで集中できます。
誘惑物がないため、自宅より集中できる場合があります。

また、前述の秩序性も保たれるため、適度な緊張が得られます。
ただし窓側は視覚情報が次々に変わるので、意識をそらされてしまいます。

一方で聴覚タイプは、カフェのように雑音が多い場所は適しません。
図書館のような静かな場所で集中できます。

要注意!カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果というものがあります。
たくさんの人々が雑談をしているカクテルパーティーのように、にぎやかな場であっても、知っている人の声や、自分に興味のある会話を聞き取れるという脳の優れた機能です。
カフェの店内で自分の興味を持つ会話がされた場合、視覚タイプであっても集中できなくなります。

パーティー会場の女性

自分の知ってる声、興味のある話題は賑やかな場でも気になるものです。

スマートフォンを隠す

ここからは視覚タイプも聴覚タイプも個人差はありません。
スマートフォンは確実に集中力の邪魔をします。

自制心も大切です。
距離を置くのがベストですが、机の中にしまうなど、せめて視覚に入らない場所に置きましょう。

テレビのコンセントを抜く

誘惑物が周囲にある場合は、手間を増やして思いとどめるのが有効です。
手順を増やすことで、その間に自制心を呼び戻すことができます。

これは手順が多ければ多いほど有効です。
手軽であればあるほど自制心が働かず、罪悪感も生まれません。

ただし自制心の使いすぎには注意してください。
ある行動で自制心を使えば、別の行動で衝動心を生んでしまいます。
自分へのご褒美はそのためにあります。

図書館での体験談

私が図書館で半日過ごしたとき、本を読む場所によって集中力が続かないことに気づきました。
ちょうど認知特性を知ったあとだったので、自分の周囲の環境がどれほど影響するか理解できました。

集中力が続かない原因

図書館の隣には保育園があります。
園児の遊ぶ声は図書館内にも聞こえてきますが、全く気になりませんでした。
きっと私が視覚優位タイプだからです。

しかし窓際の椅子に座ると、外の景色が気になって読書に集中できません。
外の景色は歴史建造物があるため、景観が良く、観光客も通ります。
外国人観光客から犬を散歩する人まで、気になって目が離せなくなってしまいました。

駐車場に入ってくるクルマが1台ずつ気になったり、鳥が飛んできたりと次々に変わる視覚情報が楽しいのでしょう。
全く読書が進んでいません。

そこで館内中央の席に移動すると、驚くほど読書に集中できました。
移動できたのは、集中力を邪魔する存在に気づくことができたからです。

注意力を上げる赤色、集中力が続かない赤色

赤色は注意力を高めます。
しかし集中力の持続を邪魔する色です。
神経心理ピラミッドでは、注意力と集中力は同じ階層ですが、赤色は警戒色で注意力のみに効果があります。
勉強に赤色のカーテンが厳禁なのは有名な話です。

赤いカーテンの部屋と本を読む女性

赤い色は注意、警戒色。心理的効果が高い赤色。

モニタのフチは無彩色のものを選ぶ

赤色のパソコンは厳禁です。
前述の通り、赤色は集中の邪魔します。
モニタのフチは心理学的に白が良いのですが、販売されているものがないため、黒かグレーでも良いでしょう。
実際に名古屋大学の博士らが、赤色のモニタ枠では仕事の効率が下がるという研究結果を出しています。

極度な集中力が必要な場合は赤色もあり

赤い色は前述の通り、集中力の持続を邪魔する色です。
しかし注意力を増幅させる赤色は、極度な集中力が必要な場合で有効なのです。

重要事項の記憶や、ミス探しには効果を発揮します。
警戒すべきものを優先して覚える脳の特性があるからでしょう。

パソコン作業で集中力を高める方法

社会に出るとパソコン作業が増えます。
会社であれば自制心や秩序性が生まれるので良いのですが、人は趣味にもパソコンを使います。
パソコンには娯楽も入っているので、集中力を邪魔する誘惑がたくさんあります。

パソコン内の環境を整える方法があります。

全画面表示を利用する

パソコンを使う場合、非常に効果的な方法があります。
全画面表示です。

全画面表示とは
全画面表示はパソコンの画面全体を作業スペースに広げる機能です。
特にMacは全画面表示が充実しています。
アプリを選択するドックも誘惑物が含まれるので隠しましょう。
MacのDockアプリを隠す設定最大の全画面表示は時計すら隠れます。
Macの全画面表示の比較

視覚で集中力を邪魔されるタイプの人は、机周辺だけでなくパソコンの画面内も視覚情報を排除するべきです。

私はお気に入りのブックマークも最低限のものしか表示させていません。
Macの場合だと時計まで隠れるので作業に集中できます。時計が気になって集中できない人は案外多いのです。

集中力アップのトレーニング方法

集中力をアップさせる一番のトレーニング方法は瞑想です。
科学的に効果が実証されている集中力アップのトレーニング方法を紹介します。

瞑想の効果と方法

瞑想をする女性

脳に様々な効果を与える瞑想。
アメリカの企業には瞑想ルームがあるほど注目されています。

最近の研究では、毎日20分の瞑想トレーニングで集中力をアップさせる効果が出るといわれています。

なぜ瞑想が効果的なのか?

それは瞑想で集中しようとするからです。
集中している時間が、集中力アップのトレーニングとなります。

【雑学】人間の潜在能力とその上限

修行僧となると、集中力や注意力に関係するガンマ波が脳から出ることが判明しています。修行僧の瞑想は、私たちには真似できません。修行をすれば、人間の潜在能力をアップさせるというのは興味深い話ですね。
しかし高僧になると、意識を向けることなく集中できるようになります。
どうやら人間の潜在能力には上限があるみたいです。

瞑想と集中力に関する研究結果は以下に掲載されています。(※英語)

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スポーツも集中力トレーニングに効果大

身体を動かして悪いことはありません。
スポーツで集中すると、やる気や記憶力にも繋がりますので、高い効果を得られます。
神経心理ピラミッドにある通り、身体バランスは集中力の持続に関わります。
社会人になると、日々スポーツをする訳にもいかないので、一日30分以上の有酸素運動をすることが必要です。
有酸素運動もやる気や記憶力に繋がりますので、相乗効果が得られます。

有酸素運動をする女性

有酸素運動は健康だけでなく、脳にも良いのです。

プロのスポーツ選手も瞑想トレーニングをしていますので、やはり瞑想の効果は絶大と言えます。
しかし現代社会人には瞑想をする余裕はないかもしれません。

その場合は有酸素運動が最優先です。どの脳科学者も医師も、健康や脳には有酸素運動が一番と言うでしょう。
通勤などを利用するのもひとつの手段です。

ゲームは集中力を高める

驚くべきことに、ゲームは集中力や同時処理能力、視覚判断力をアップさせると最近の研究データにあります。
ゲームをする人は、ゲームをしない人に比べて集中力の低下が少ない傾向にありました。
ただし、ゲームの内容はアクションゲームなど、集中力を必要とするものに限ります。

やはり集中するという行為に効果があると考えられます。
ただし、神経心理ピラミッドから見ても、瞑想やスポーツの方がゲームより高い効果を得られるでしょう。

ゲームをする男の子

子どもには宿題をしないとゲームができないルールにするのも手です。

ゲームのやり過ぎ問題については、以下の記事をご参考ください。

フロー状態・ゾーンで最大の集中力を生む

フロー体験 喜びの現象学

この本は難しいので、おすすめできません……。

フロー状態、もしくはゾーンと呼ばれる心理現象があります。(以下、フロー状態と呼びます)

圧倒的に集中している状態です。

心理学者のミハイ・チクセントミハイにより、あらゆる分野に広まりました。
私もフロー状態を何度も体験し、仕事でも非常に高い集中力を得られています。

フロー状態の8つの構成要素

フロー状態に入るには、以下のルールが必要です。

  1. 明確な目的(予想と法則が認識できる)
  2. 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)
  3. 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
  4. 時間感覚のゆがみ – 時間への我々の主体的な経験の変更
  5. 直接的で即座な反応(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)
  6. 能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
  7. 状況や活動を自分で制御している感覚。
  8. 活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。

フローを経験するためにこれら要素のすべてが必要というわけではない。
フローに入るためのもう一つの重要な条件に、他者に妨害されない環境がある。電話がかかってきたり、だれかが部屋に入ってきたりといったいかなる妨害であっても、おそらくフロー経験から引きずり出され、それに対応するモードに移行してしまうだろう。

出典元:Wikipedia

なにやら難しいですね・・・。簡単に説明します。

フロー状態に必要なルールを簡単に説明

フロー状態を起こすには、ルールがあります。
行動に対する難易度や、フィードバックが必要です。

自身のスキル(能力)と難易度

自身のスキルと難易度のバランスは、難しすぎない、易しすぎないことです。
難しすぎて自身のスキルに合わないと、無理とあきらめて、投げ出してしまいます。
逆に易しすぎると、退屈に感じ、集中できなくなります。

大切なのは、自身のスキルより少しだけ難しいということです。
それは、ひとつ上のレベルにチャレンジをしている状態です。

自己を管理し、ミスを認識して調整ができる

自ら進んで物事に取り組んでいる状態は、フロー状態が起こりやすくなります。
取り組みに対し、ミスが起こればすぐに認識ができ、調整をして改善ができる状態が望ましいとされています。

ゲームをするとフロー状態が分かりやすい

多くの人がゲームによって、完全なフロー状態を体験しているかと思います。

難易度5のステージをクリアできる人は、最初の1ステージが退屈に感じます。
いきなり難易度10のステージに挑戦すると挫折するので、4〜6ステージが一番集中力を発揮できます。

ゲームでのミスは、即座にプレイヤーへ伝わるようフィードバックされます。
ミスの要因を対処して、再チャレンジした経験もあるでしょう。

集中力を支えるのは体が基本

神経心理ピラミッドの最下層に身体を追加したのは、身体こそがあらゆる脳機能の基本になるからです。
「脳が身体を支配しているのではなく、身体に脳が支配されている」と言えるほど、脳は身体の動きから判断しているのです。

私たちは体が疲れることで、集中力を失います。
これは病気に掛かり、体が弱くなったりして、みなさんも経験があると思います。

それでは体にまつわる集中力アップの方法を見ていきましょう。

姿勢を正す

姿勢の良い女性

脳と身体は常に連動しているのです。

姿勢を正すことは、体への負担を軽減するだけでなく、やる気も高める相乗効果があります。
特に背筋に意識を向けてください。意識を向けることで集中力アップのトレーニングになります。

ビジネス用の椅子にする

ビジネス用に開発された椅子は、腰痛などのリスクを減らし、長時間でも体の負担を少なくする工夫がされています。
腰痛や肩こりがあると、意識が痛みに向いてしまい、作業に集中できなくなります。

仕事や勉強など、目の前のことよりも、脳は生命に関わる痛みや苦痛というシグナルを優先します。

意外に効果あり!視線は中央を意識する

ノートや教科書、パソコンでも、視線の中央(体の中央)に目標物を置きます。
ほとんどの人は、これを意識していません。
ノートの場合は、視線と体の中央に書くスペースを置きます。
パソコンのモニタの中も、視線と体の中央に作業する目標物を置きます。

中央に置く理由

なぜなら、右目と左目の距離が違うと、脳は距離感を補正し、脳への負担が増えるからです。
歩きながら片目をつぶると、距離感を失います。(危ないので真似しないでください)
失った距離感を補正するには、思った以上に脳への負担が掛かります。

左右どちらかに傾いて勉強すると、集中力も下がります。
前述の姿勢を正すというのは、左右の視線を整えるためでもあります。

実体験でも効果あり

私は会社も自宅も、パソコンは大きなモニタを使っています。
この記事を書いているときも、パソコンで読書をするときも、左右の視線の中央で作業をするように私は工夫しています。

パソコンで読書をする場合は、誌面スペースの左右を狭くします。
これは効果ありと実感できました。

集中力が続かない子どもへの対処

自分の子どもは授業中なのに集中力がない。
誰だって心配になりそうです。
子どもの場合はそれぞれの感覚が敏感なことで、集中できないパターンが存在します。

聴覚に敏感

多いのは聴覚に敏感な子ではないでしょうか?
聴覚に敏感だと、鉛筆で書く音すら気になります。
運動場からの声も気になるのですが、困ったことは対処が難しいことです。

親は感覚を軽く見てはいけません

子どもの感覚を軽く見てはいけません。
大きな声で叱ったり、怖い映像を見せたりするのは、感覚が敏感な子どもには影響が大きくなります。
非常にバランスは難しいものです。

やはり学校や日常生活に支障が出る場合は、専門家に治療をお願いするべきです。

短期的な集中では学習効果が薄い

もうひとつ、子どもに必要な情報があります。
一夜漬けのような短期集中の学習は、身体に悪いだけでなく学習効果も悪くなります。

短期集中の勉強法は、1ヶ月のような長い期間になると記憶から取り出せないのです。
これらは最近の科学的な研究で、ほぼ確定しています。

集中力を高める食べ物は? 効果は?

ドリンクを飲む女性

栄養学は科学的な検証が難しい分野です。
少しでもデータが得られると、企業は爆発的に商品を開発します。

結局は脳科学で研究されているものが、集中力にも効果があると言えます。
それらはカフェインとブドウ糖です。

集中力を高める食べ物、実際に私が試していたサプリまで紹介していきます。

朝食は最も有効

朝食を食べる人は食べない人に比べて、数学や記憶力での試験が優位だったというのは、多くの研究結果で実証されています。
もちろん朝食は集中力も高めます。
これはブドウ糖が12時間で不足するからです。12時間はちょうど夕食から朝食までの間です。

脳や集中力を高める食べ物、飲み物を紹介

栄養ドリンクで効果が多少なり期待できるのは、タウリンの入っているリポビタンDぐらいでしょう。
タウリンは疲労回復だけでなく、学習や記憶のパフォーマンスを向上させると言われています。
ここぞという時には良いでしょう。

私は栄養ドリンクのリポビタンDを何年も飲み続けていました。
最初は効果を感じたのですが、次第に効果はなくなっていき、このままでは依存すると気づきました。
多くの同僚は、エナジードリンクは一時的に効くが、2時間ぐらいで疲れに襲われると言っています。

また、カフェインは覚醒作用があるので、コーヒーやお茶は効果が最も期待できます。

カフェインの効果

カフェインは脳を活性化させるので、コーヒーと砂糖を入れて飲むと学業のパフォーマンスが上がると言われています。
ただし1日2杯以上のコーヒーは逆に成績が下がると言われ、1〜2杯が良いとされています。
(1日3杯のコーヒーが健康に良く、長生きできるという研究結果もあるので悩ましい話です)

一番は玉露

玉露にはカフェインだけでなく、L-テアニンが多く含まれます。
L-テアニンはカフェインと併用することで、集中の邪魔をされにくくなるとの研究結果が出ています。私も1日に1回程度飲んでいます。

ダークチョコレート

ダークチョコレートにはカフェインが多く含まれます。
コーヒーを多く飲む人は、カフェインの摂取量に気をつけましょう。
カフェインが少ないミルクチョコレートの方が、ブドウ糖も補給できて脳にも良いです。

その他の食品とサプリ

一応ですが紹介のみしておきます。

DHA・EPA
私は十分な科学的根拠がないため、あまりサプリ自体を信用していませんが、DHA・EPAのみ適度に摂取しています。
DHA・EPAは脳に良いとされていて、魚を食べることで摂取できます。魚の摂取が少ないと感じたときに飲むのは良いと思います。

サプリと飲み物は検証が難しい

脳に効くとされるサプリ、飲み物や食べ物は、仮説が多すぎるため検証が難しいとされます。
また過剰摂取による副作用も考慮しないといけません。
食品会社の研究で自社に不利なことは発表しないでしょう。

サプリに頼るよりも有酸素運動をした方が脳機能には確実で良いのです。

集中力アップに効果のある方法まとめ

私が効果ありと判断した方法をまとめて紹介します。
脳科学、心理学、あらゆる文献から科学的にも根拠のあるものをまとめました。

換気をする

二酸化炭素の濃度が濃くなると眠気に襲われます。
酸素不足です。
トイレなど換気の良い場所で頭がスッキリした経験は多いかと思います。
私の会社でも適度に窓を開けて換気をしています。
同僚もみんな効果を感じているようです。

鼻腔テープを貼る

鼻腔テープは鼻に貼ることで多くの酸素を脳に取り入れます。
酸素不足での集中力低下を防ぎます。
換気とセットで使いましょう。

柑橘系アロマを使用する

レモン、ペパーミントの香りは集中力アップに有効との研究結果があります。
苦手な人はグレープフルーツやローズマリーの香りでも構いません。

女性の方が嗅覚に優れているので、男性よりも効果大です。
女性は嗅覚の部位が男性より発達しています。

ガムをかむ

ガムを噛めば脳が活性化し、集中力にも効果があります。
これも筋肉が関わっているからです。
メジャーリーグの投手がガムを噛んでいるのも納得できます。
彼らは常人よりも高い集中力が必要です。

集中力アップに効く音楽

音楽と集中力に関係性はあると言えますが、認知特性による他の雑音を消すことが重要で効果も高いです。

集中力アップに効くとされる音楽の事例を紹介します。

モーツァルトの曲を聴くことで、集中力がアップする?

モーツァルト効果については、現代では否定されています。
モーツァルトの曲を聴いて、被験者の気分が覚醒しただけです。
結果的に集中できたり空間認知能力が上がったのです。

brain.fmの曲

集中、リラックス、睡眠に特化した音楽を提供するWEBサービス。英語です。
iOSアプリもあります。

‎Brain.fm - Focus Music
‎Brain.fmは、脳科学に基づいて設計された「音」によって脳波パターンを変化させ、集中力の向上、深いリラックス、睡眠の質向上をサポートする音楽アプリです。 ADHDによって短期記憶や集中力の維持に問題を抱えている方のサポートにも有効です。 集中力向上、リラックス、瞑想、睡眠の改善 仕事や勉強をしていても集中力...

集中力アップのスマートフォンアプリ

この記事では集中力を邪魔する雑音への対策にホワイトノイズを推奨しました。
オススメのアプリも厳選すればホワイトノイズと、集中力がどれだけ続いたかを計測するタイマーアプリになります。

勉強集中の音/音楽アプリ SYU-ON
Androidのみ
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Be Focused – 仕事および勉強用の Focus Timer
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‎タスクを続けることは、画面に束縛されている私たちの世代にとって本当の挑戦です。「Be Focused」を使用すると、短い休憩で区切られた個別の間隔にタスクを分割して物事を進めることができます。これは、やる気と集中力を保持するための驚くべき効果的な方法です。タスクを作成し、休憩を設定し、一日、一週間、またはカスタム期間...
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笑顔で勉強すると集中力アップする理由

古くから心理学の世界では、楽しくて笑顔になると、やる気もアップすると言われています。
やる気は集中力にも大きく関わります。
正確に言えば、楽しくなくても良いので、笑顔を作るとやる気が増すのです。
どういうことでしょうか?

脳は実際の感情より筋肉に影響される

この際、感情が楽しいかは関係ありません。
笑顔だから脳は楽しいと騙されるのです。
笑顔は脳の報酬回路を刺激するので、やる気の維持に有効です。

前述の「脳が身体を支配しているのではなく、身体に脳が支配されている」というのは、こういった脳の特性による見方です。

具体的な方法

といっても無理矢理に笑顔を作って勉強すると、笑顔を作ることに意識が向いてしまいます。
そこで箸を使います。
箸を横にして口にくわえることで、口角を上げ、笑顔を作り出すのです。

この方法を勉強で試すと、勉強へのモチベーションが高まる効果もあります。

あなたがやめるべき習慣

もし将来のために本気で没頭したいのなら、やめるべき習慣があります。
できれば受動的な娯楽はやめたいところです。

テレビをほどほどにする

テレビを見ている時間は集中力を育てません。
皮肉なことにゲームの方が集中力には効果ありと言えます。

しかし笑うことや、感情を揺さぶることは人間にとって必要ですので難しいところです。
テレビのコンセントは抜きましょう。誘惑に負けないひとつの手段です。

勉強中のラジオはどうか?

高学歴の人で、ラジオを聞きながら勉強をした人も多いかと思います。
ラジオは聴覚で楽しませるため、集中力の邪魔をするのは確実です。

しかし、やる気をアップさせ、勉強を続けるのには有効です。勉強中の楽しみを奪うのは、むしろ逆効果でしょう。
短期集中の勉強より、日々勉強を続ける方が長期的な記憶に有効だからです。

勉強中のBGMにニコニコ動画が絶対にダメな理由

ニコニコ動画は中学生や高校生にも人気の動画サービスで、コメントが動画の上を流れるようになっています。
コメントが流れるということは、聴覚だけでなく、視覚からも集中力の邪魔をするのです。
ニコニコ動画は視覚も聴覚も楽しませるように工夫されているため、勉強などには最も悪い影響を与えるでしょう。

認知特性を知る上でも、このように聴覚と視覚を刺激するメディアは作業の邪魔をします。

まとめ

私はWEBだけでなくグラフィックデザインも経験しています。
小さなミスで100万円単位の損害を出す可能性があるにも関わらず、長時間のルーチンワークもあります。
注意力や集中力が求められる職業で、どうのようにしたら良いかを工夫し続けました。
小手先のテクニックや食品に頼らず、脳の仕組みを理解しようとしてから、劇的に集中力は改善されました。

この記事の要点

まずは集中力という人間の機能を理解することが大切です。
場当たり的に食品やアプリを探しても、なぜ集中力を高めるのかが分からないと選ぶことができません。

神経心理ピラミッドは集中力だけでなく、脳機能の理解に役立ちます。

次に認知特性を理解することで、自分が何によって集中できないのかという対策が分かります。
そこから私は多くの文献を参考にして、トレーニング方法や心理学を応用できるようになりました。

子どもへの対処にも言えますが、まずは正しい理解が必要ですね。

参考文献

この記事は以下の文献を参考にし、独自の解釈で記載しています。
経験による独自解釈が多いため、本の内容とは大きく異なります。

  • 「医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~(光文社新書)」本田 真美 (著)
  • フロー体験入門―楽しみと創造の心理学 M.チクセントミハイ (著), 大森 弘 (翻訳)
  • 脳には妙なクセがある (扶桑社新書) 池谷 裕二  (著)
  • 脳はなにげに不公平 パテカトルの万脳薬 池谷 裕二  (著)
  • 脳にいいこと、悪いこと (サイエンス・アイ新書) 生田 哲 (著)
  • 脳を鍛えれば仕事はうまくいく 澤口 俊之 (著)
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