
書籍タイトル: 13歳からの「男の子」の育て方 「思春期の心」がわからなくなったら
著者: おおたとしまさ
出版社: PHP 研究所
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「自分の一部」息子が、父親と同じ「理解しがたい生き物」へ?!
男の子の思春期は、母親にとって「何を考えているかわからない」「どうしてそんなことするのかわからない」という、理解不能な生き物に変身する衝撃的な体験です。著者は、この「わからない」という感覚は、長年連れ添っている夫(男性)を理解しがたいのと同じ構造であると指摘します。
本書は、まるで「自分の一部」だった息子が、父親と同じ「理解しがたい生き物」に変身する思春期に、母親が衝撃を受け、孤立しないための、男の子の心理的な特性と、夫婦で乗り越えるべき課題を解説するものです。
ポイント: 思春期男子の特性と「反抗」の正しい捉え方
本書の核心は、男の子の思春期の変化を、ネガティブな問題行動ではなく、「男性」に成長するための通過儀礼として捉え直す点にあります。
- 思春期男子の特性: 男子は反抗期になると、言葉遣いが悪くなったり、行動が荒っぽくなったりしますが、これは、自分の分身のように感じていた息子が、自分とはまったく異質な「男性」に成長するための、必然的なプロセスです。
- 反抗は「自立の練習」: 反抗期は、子どもが親の支配から抜け出し、「自己主張をしないと社会で生きていけない」という現実を練習している期間でもあります。親は、この反抗を頭ごなしに否定したりせず、子どもが「一人前の男性」になるための大切な過程として受け止める必要があります。
- 夫婦の役割: 母親は、思春期の息子を理解するために、長年連れ添っている夫の横顔をあらためて見つめることがヒントになると説きます。息子が夫と同じ「理解しがたい生き物」になることは、夫婦が「男という生き物」を理解し、協力し合うべき新しい課題を与えられたことを意味します。
この本について
・独自の観点
書籍の強みは、思春期の性別特性という臨床的に必要な視点を、ユーモアと具体的な比喩で親に寄り添いながら提供している点です。
・相対評価
- 理論(抽象) ⇔ 方法(具体): 両立。思春期の心理的特性を解説しつつ、母親が戸惑う状況での「言葉かけ」や「姿勢」といった具体的な方法論を提供します。
- ドライ(客観) ⇔ ウェット(感情): ニュートラル。男の子の心理変化を冷静に分析し、母親の感情に共感しつつも、過度な感傷を排します。
- 今すぐ(短期) ⇔ じっくり(長期): 長期に特化。思春期という「通過儀礼」を、子どもの人生全体を見据えた長期的な視点で捉えることを推奨します。
- 当事者目線 ⇔ 支援者目線: 支援者目線に特化。主に「母親」という立場の読者に対し、専門的な知見を平易に提供します。
- ポジティブ(肯定的) ⇔ ニュートラル(客観的): ポジティブ(肯定的)。反抗期を「悪いこと」ではなく「成長」として肯定的に捉え直します。
- 発達特性との関連度: 2。個別の発達特性そのものよりも、思春期男子の一般的な心理的特性と「男らしさ」への成長というテーマを扱っています。
まとめ: 「思春期男子」という生き物を理解し、自立を信じる
本書は、思春期の息子が突然「理解不能な男」に変身したことに戸惑う母親に対し、「それは、息子が一人の男性として成長している証拠である」という力強いメッセージを送ります。
親がすべきことは、息子をコントロールしようとしないこと、そして、保護者として「男という生き物」の特性を理解し、夫婦で協力し合うことです。息子が自らの力で荒々しい反抗期を乗り越え、「自立した男性」になることを信じ、その成長を温かく見守ること。これが、母親が息子に贈る最大の「育て方」となるでしょう。
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スガヤのふせん ~個人的ブックマーク
あの可愛かった息子が…突然「クソバ◯ア!」と言い始めた。これはことママにとっては大ショックで、受け容れたくない現実になってくるでしょう。しかし、こうした”ありのまま”を息子としてでなく「紳士」としてもう一度迎え入れ直すことで、「新しい親子関係」が拓けてくるのです。
ありのままの子どもを受け入れることができるようになったら、いよいよ、これからもずっと続く大人同士としての親子関係の構築が始まります。…自立した息子の姿をイメージしながら、そのイメージのなかの息子が目の前にいるようなつもりで接することが、思春期の男の子との正しい関わり方です。(「新しい親子関係を構築しよう!」より)
そのため大切なこととは
・「勝ち負け」の構図にしない
・一人前の紳士として扱う
・気持ちを受け取る(暴言は”言葉通り”ではない)
・大人として迫力をもって伝える(「これだけはわかってほしい」と真剣に話す)
なお本著では、思春期男子のココロとカラダ、また「突然金髪に染めてきた」や「エッチな雑誌やケータイサイトを見ている」「万引きをして補導された」など親としては”ギョッ”とするようなケースも、丁寧に解説してくれていますから大丈夫!きっと滅多なことにも動じない、「頼れる大人」として接していけるでしょう。
12歳のうちに一読しておきたい、13歳男子の育て方マニュアルです。

