HILLOCK(ヒロック初等部・中等部)

取材予定:2025.12.16 / 語り手:蓑手 章吾(スクールディレクター)

「学校」に戻るためじゃない、「社会」に出るために学ぶ。
自由進度学習で見つける「自律」のハンドル

[画像:砧公園など屋外での活動や、車座になって対話する様子]

世田谷区・砧公園の緑豊かな環境。「ワイルド&アカデミック」を掲げるオルタナティブスクール「HILLOCK(ヒロック)」。
ここは、傷ついた羽を休めるだけの場所ではありません。子どもたちが「市民(Citizen)」としてルールを作り、学びを創る、小さな社会です。
「学校復帰は本質ではない」と言い切る蓑手章吾先生に、その攻めの教育論を伺いました。

取材先データ:HILLOCK(ヒロック)
運営:一般社団法人
拠点:世田谷(砧公園)、渋谷・代々木エリア
特徴:自由進度学習、PBL(探究学習)、ICT活用

目次

1. 先生ではなく「シェルパ(ガイド)」。教えない教育

ヒロックでは、大人は「先生」ではなく、登山のガイドを意味する「シェルパ」や「ファシリテーター」と呼ばれます。
一方的に知識を教えるのではなく、子ども(Co-learner:共に学ぶ人)が自ら学びの山を登るのを、後ろから支える存在です。

「成長とは『自分の人生のハンドルを、自分で握れている状態』のこと。
僕たちの仕事は、子どもから決定権を奪うことではありません。環境を整え、彼らが『知りたい!』と火がつく瞬間を待つことです」
蓑手 章吾 氏

2. 「嫌なこと」は対話のチャンス。摩擦を恐れない

ここでは、嫌なことからただ逃げるのではなく、「なぜ嫌なのか」「どうすれば納得できるか」を徹底的に対話します。
民主的なコミュニティ運営の中で、意見の違いや摩擦はあって当然。それを調整し、合意形成していくプロセスこそが、「生きた社会勉強」になります。

[画像:子どもたちがホワイトボードを使って議論している様子]

3. 最先端の「自由進度学習」とデジタル活用

「みんな一斉に同じことを学ぶ」授業はありません。
Apple認定エデュケーターなども在籍し、iPadなどのデジタルツールを文房具のように使いこなしながら、それぞれのペースで探究学習(PBL)を進めます。
「学校に戻るため」ではなく、10年後の社会で生き抜くための「武器」を授ける。それがヒロックの学びです。

当サイト基準軸からみる「HILLOCK」

1. 発達支援の専門性

「心理的安全性」と「挑戦」の両立。
ただ守られるだけでなく、失敗しても大丈夫という安心感の中で「挑戦」を促します。発達の凸凹があっても、ICTツールや環境調整でカバーし、個性を強みに変えるアプローチです。

2. 未来スキル・IT

デジタルは「文房具」であり「武器」。
ICT活用のレベルは非常に高く、Apple認定教育者も在籍。消費するためではなく、創造し表現するためのツールとして、タブレットを日常的に使いこなします。

3. キャリアの出口

「市民(Citizen)」としての自立。
偏差値の高い学校へ行くことではなく、自分の人生を自分で決定できる「自律した学習者」になることを目指します。起業家精神(アントレプレナーシップ)の育成にも通じます。

4. カリキュラム

「自由進度学習」と「PBL(探究)」。
教科書をなぞる授業はありません。自分のペースで進める学習と、正解のない問いにチームで挑むプロジェクト学習が主軸です。

5. 出席認定

公教育との連携も重視。
オルタナティブスクールですが、地域の教育委員会や在籍校との連携にも積極的です。出席認定の取得もサポートしています。

6. オンライン対応

ハイブリッドな学び。
日々の連絡や成果物の共有にデジタルツールを活用しており、オンラインでのコミュニケーションリテラシーも自然と高まります。

7. 進学・学習支援

「学ぶ方法」を学ぶ。
暗記型の受験勉強は行いませんが、「自ら問いを立て、調べ、まとめる」という本質的な学習能力(アカデミックスキル)は、非常に高いレベルで養われます。

8. 料金

質の高い教育への投資。
専門性の高いスタッフ(シェルパ)と充実した環境のため、一般的なフリースクールよりは高価格帯になりますが、インターナショナルスクール等と比較すればリーズナブルです。

「わがまま」と言われたその個性、ここでは才能です。

公式サイトを見る(仮)

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