不登校は「休憩」でいい。
銀座の一軒家が目指す、家より温かい「第3の家族」
「学校に戻すこと」をゴールにしない。
運営会社の社名「mommy daddy(マミー・ダディ)」が示す通り、社会的な自立や学習の前に、まずは枯渇した愛着や安心感を埋めることを最優先にするフリースクール「homiee」。
なぜ今、教育の場に「家族のような機能」が必要なのか。代表の長坂有浩氏に、その優しい決意を聞きました。
1. 「戻らなくていい」。ここがあなたの家だから
homieeの扉を開けた瞬間、感じるのは「学校」の緊張感ではなく、「親戚の家」のような緩やかな空気です。
長坂代表は、不登校支援のあり方について、明確に「学校復帰」へのこだわりを捨てています。
まずは『ご飯が美味しい』『安心して眠れる』。そんな当たり前の生活を取り戻すこと。ここに来て、ただ笑っていてくれるだけで十分なんです」
長坂 有浩 代表
嫌なことは「絶対にさせない」。
徹底して嫌なことから逃げ、守られる経験をすることで、子どもたちは初めて「次はどうしようかな」と未来に目を向けるエネルギーを溜めることができます。
2. スタッフは「先生」ではなく「親戚のおじちゃん」
ここで働くスタッフに求められるのは、高度な学習指導力ではありません。
子どもを丸ごと受け止める「圧倒的な包容力」です。
勉強を教える先生ではなく、一緒にご飯を作り、悩みを聞いてくれる「親戚のおじちゃん・おばちゃん」。
この斜めの関係性が、親でも学校の先生でもない「第3の家族」として機能し、子どもの孤独感を癒やしていきます。
3. 学習は「待ち」の姿勢で。エネルギーが満ちるまで
保護者が気になる「学習の遅れ」についても、homieeのスタンスは一貫しています。
「エネルギーが溜まるまでは、鉛筆も持たせなくていい」。焦って勉強させても、土台となる心が折れていては意味がないからです。
もちろん、子ども自身が「やりたい」と言い出せば全力でサポートしますが、それはあくまで回復の結果としての行動。大人が先回りして誘導することは決してありません。
当サイト基準軸からみる「homiee」
「回復」特化型の安全基地。
スキル向上よりも「愛着形成」や「心理的安全性」を最優先します。HSC(ひといちばい敏感な子)や、人間関係に疲弊した子にとって、安心して羽を休める「サンクチュアリ」として機能します。
「つながり」のためのデジタル。
プログラミング教育など機能的な側面よりも、家に引きこもりがちな子が社会や他者とつながるための「コミュニケーションツール」として、ゲームやSNSを肯定的に捉えています。
まずは「日常」を取り戻すことから。
進学実績や就労支援を急ぐのではなく、まずは「人とご飯を食べる」「安心して眠る」といった生活の土台を再構築し、結果として社会的な自立へ繋げていくアプローチです。
完全フリー(生活そのものがカリキュラム)。
決まった時間割はありません。その日の体調や気分に合わせて、「何もしない」ことも含めて自分で選択します。料理や掃除など、生活を通じた学びを大切にしています。
学校との連携も柔軟に対応。
「戻らなくていい」というスタンスですが、本人が希望すれば在籍校との連携(出席扱い)もサポートします。あくまで「本人の意思」が中心です。
家から出られない時期もサポート。
完全な通室だけでなく、チャットやオンライン通話を通じた「つながり」も維持します。物理的に通えなくても「ひとりじゃない」と感じられる関わりを重視しています。
エネルギーが満ちるのを「待つ」。
学習の遅れを取り戻すことよりも、学習に向かうためのエネルギー回復を優先します。意欲が出てきた段階で、個別に学習サポートを行います。
食事・預かり込みの安心価格。
フリースクールとしては珍しい「食事提供」や「早朝・延長預かり」を含めたプランを展開。保護者のレスパイト(休息)ケアも兼ねた、家庭全体を支える料金体系です。
「もう頑張らなくていい場所」を探しているなら。
