不登校事例データベース

【Data Base β版】 現在、掲載データの更新・検証作業中です。情報は随時追加されます。

編集長メッセージ

「不登校について情報を集めたい」と思って検索し、ネガティブな予測変換(「不登校 末路」「…ずるい」「…人生終了」「…甘え」「…ニート」など)を見て傷ついた保護者の方へ。

安心してください。それら検索結果は「未来の予言」などではなく、ただの「過去のノイズ」です。

ネットの仕組みを少しお話しします。
検索エンジンは「正しい情報」ではなく「クリックされやすい刺激的な言葉」を優先して表示する傾向があります。つまり、あの不吉な言葉たちは、一部の極端な意見や、不安に駆られた人々の検索履歴が機械的に増幅されたものに過ぎません。

私たち【不登校サポートガイド】は、ネットの憶測ではなく「一次情報」を、そして「客観的かつ最新の情報」を集め、編集しています。
そこから見出されたひとつの結論。それは、

「不登校は”人生の終わり”ではなく、その子にとってある種必然的なライフ・イベント(通過儀礼であり、”新たな始まり”)である」

ということです。

詳しくはサイト内記事を参照いただくとして、まずは当サイトの勉強会参加者からいただいた「体験談」を御覧ください。彼らは、”普通に自分らしく(そして印象としてはとても元気に)”暮らしています。

社会に合わせて心を無くしたり、個性を抑えるより、今の彼らのように自分らしく過ごす時間のほうがよほど貴重だと、私たちは考えます。
そしてここにあるのは「末路」ではなく、彼らのそれぞれの「自分らしい生活」の記録です。

編集長 スガヤ
(※デジタルマーケティング従事歴20年)

悩み別ガイド

Q:「高校に行けないと、将来がない?」
A: 「全日制」だけが学校でなく、また「通学」こそ正解ではありません。通信制や独学でスキルを身に着けた事例(Case 15, Case 12など)を見てください。
Q:「私の育て方が悪かった?」
A: 「不登校は親の育て方の問題」は、もはや古い言説です。不登校の原因は”多種複合的”で、HSCや環境の不一致、社会的な影響など様々です(Case 01, Case 05など)。仮に悪かったと感じる場合、親が「味方」になるほど好転しやすいと言われています。
Q:「このまま社会に出られないのでは?」
A: 学校以外にも「社会」はあります(人のつながりがあればすべて「社会」です)。趣味の仲間、老人会、海外、ネット掲示板などで役割を見つけた事例(Case 16, Case 13)があります。あとは誰と接し、何を学ぶか?次第ではないでしょうか?
Q:「ゲームばかりして昼夜逆転…」
A: 仮に一時期逆転したとして、殆どがもとに戻ります。一時的な現実逃避もありますが、「居場所」や「没頭(研究)」かもしれません。没頭した経験がスキルになった事例(Case 12, Case 03)があります。

▼ ネット上の噂・不安について

Q:「不登校は”末路”か?」
A: 「新たな出発」と私たちは考えます。ただしその処し方次第では長く行き詰まることもあります。だからこそ、周りの大人が「終わり」と決めつけず、どうサポートするかが重要です。「末路」という言葉は、不安が生み出した幻影に過ぎません。
Q:「不登校を認めるのは、甘え/甘やかしか?」
A: 多くの場合、甘えではなく「心のエネルギー切れ」の状態です。骨折した足で走れないのと同じで、まずは「完全な休息」が必要です。要求を受け入れ、安心して休ませることが、結果的に回復への近道となります。
Q:「不登校はずるい」
A: そう言われるのは辛いですよね。ですが、「みんなが行く場所に、一人だけ行かない」という選択は、実はとてつもない恐怖と孤独を伴います。彼らは楽をしているのではなく、その恐怖や葛藤と戦いながら、必死に自分を守ろうとしているのです。
Q:「不登校はニートになるのか?」
A: 不登校経験者の就業率は調査により異なりますが、20歳時点で約8割が進学・就業しており、半数以上が社会とつながっています。
就職できるかどうかは、「学校に行ったか」ではなく、「不登校という期間にどう自分と向き合ったか」で決まります。自分を知る時間に変えられた子は、むしろ強い意志を持って社会へ出ていきます。

▼不安が少し解消したら、改めて「正しい基礎知識」をどうぞ
正しい不登校の基礎知識・完全ガイドを読む

23事例インデックス

ID 当時の状況 現在の様子(概要)
Case 01 中2 / HSC・過敏性 通信制高校へ転入し、週2回の登校ペースを確立
Case 02 高1 / 進学校での挫折 高認試験を経て、現在は専門学校で調理を学ぶ
Case 03 中3 / ゲーム依存傾向 プログラミング教室に通い、インディーズゲームを制作中
Case 04 小6 / いじめ フリースクールで友人ができ、笑顔を取り戻す
Case 05 中1 / 環境不一致 祖父母の家で農業を手伝いながら、通信制に通う
Case 06 高2 / 友人トラブル 定時制高校に転入し、アルバイトと両立中
Case 07 小5 / 先生との不和 ホームスクーリングを選択し、図書館に通う日々
Case 08 中2 / 起立性調節障害 午後からの個別指導塾に通い、体調に合わせて学習
Case 09 高3 / 受験うつ 一年休学し、NPOのボランティア活動に参加
Case 10 中1 / 部活の強要 地域のクラブチームに移籍し、スポーツを継続中
Case 11 小4 / 勉強の遅れ 学習支援教室で自信を取り戻し、週1回登校を再開
Case 12 高1 / ネトゲ没頭 独学で動画編集を習得し、クラウドソーシングで受注
Case 13 中3 / 無気力 短期留学を経験し、現地の文化に触れ視野が広がる
Case 14 小6 / クラス崩壊 中学受験で環境を変え、新しい学校で落ち着いて生活
Case 15 高2 / 留年決定 通信制高校のWebコースに入学し、自分のペースで卒業
Case 16 中2 / 対人恐怖 地域のゲートボールサークルに参加し、高齢者と交流
Case 17 高1 / 完璧主義 心療内科に通いながら、絵画教室で自己表現を楽しむ
Case 18 小3 / 母子分離不安 放課後等デイサービスを利用し、親以外の大人と関わる
Case 19 中1 / 転校後の孤立 オンラインの趣味コミュニティで同じ趣味の仲間を発見
Case 20 高2 / 帰国子女 英語力を活かせるインターナショナルスクールへ転入
Case 21 中3 / 理由不明 「何もしない期間」を経て、料理に興味を持ち家事を担当
Case 22 小5 / 発達グレー 特性に理解のある私立小へ編入し、ストレスが軽減
Case 23 高1 / 家庭不和 自立援助ホームに入居し、アルバイトで生計を立てる
Case 01
中2 / HSC

親が味方になり、表情が明るく

音や声に敏感なHSC気質。学校の騒がしさが苦痛で不登校に。「甘え」と言わず親が理解を示したことで安心し、現在は静かな環境の通信制で週2回学習しています。

Case 02
高1 / 進学校

偏差値競争から降りて見つけた道

進学校の重圧に耐えられず退学。「大学だけが道じゃない」と割り切り、高認試験に合格。昔から好きだった料理の道へ進むため、調理師専門学校へ楽しく通っています。

Case 03
中3 / ゲーム

ゲームへの没頭が「制作」へ変化

昼夜逆転してゲームに没頭していたが、親が「そこまで好きなら作ってみれば?」と提案。プログラミング教室に通い始め、今は自分の作品を作ることに熱中しています。

Case 04
小6 / いじめ

学校外に「安全な基地」を発見

クラスでの無視が原因で行き渋りに。無理に戻さずフリースクールを見学。同じような境遇の子と出会い、「学校以外にも居場所はある」と知って笑顔が戻りました。

Case 05
中1 / 環境不一致

祖父母の家で土に触れる生活

都会のマンモス校が肌に合わず体調不良に。田舎の祖父母宅へ一時的に転居。畑仕事を手伝いながら通信制で学び、自然の中で本来の穏やかさを取り戻しました。

Case 06
高2 / 人間関係

定時制で多様な世代と交流

友人グループのトラブルで孤立。多様な人が集まる定時制高校へ転入。年齢の違う同級生や、働きながら学ぶ人たちに刺激を受け、自身のアルバイトも始めました。

Case 07
小5 / 先生不和

図書館を「第二の教室」に

担任の高圧的な指導が合わず登校拒否。日中は図書館で過ごすことを学校側と合意。好きな歴史の本を読み漁り、博識な「博士」として自信をつけています。

Case 08
中2 / 起立性調節障害

午後からの活動で生活リズム維持

朝起きられない体調不良。無理に朝登校せず、午後から開く個別指導塾を利用。体調に合わせて学習を進め、高校進学への意欲も維持しています。

Case 09
高3 / 受験うつ

休学という「回り道」の選択

受験プレッシャーで燃え尽き症候群に。親の勧めで一年休学し、地域のNPO活動に参加。勉強以外の社会活動を通じて、働くことの意義を肌で感じています。

Case 10
中1 / 部活動

学校部活を辞め、クラブチームへ

部活の勝利至上主義についていけず不登校気味に。学校の部活は退部し、楽しさを重視する地域のクラブチームへ。スポーツそのものを嫌いにならずに済みました。

Case 11
小4 / 勉強

「わからない」を言える場所で

授業についていけず自信喪失。民間の学習支援教室に通い、基礎からゆっくりやり直すことで「わかる」喜びを再確認。保健室登校から徐々に復帰しています。

Case 12
高1 / ネット

ネトゲの経験が動画編集スキルへ

部屋にこもりネットゲーム三昧だったが、プレイ動画の編集に興味を持つ。独学で技術を習得し、現在はクラウドソーシングで小遣いを稼ぐなど社会と繋がっています。

Case 13
中3 / 無気力

海外で「学校」の常識が変わる

日本の学校システムに閉塞感を感じていた。短期の語学留学に参加し、自由な校風に触れて開眼。帰国後は通信制高校を選択し、英語学習に力を入れています。

Case 14
小6 / クラス崩壊

環境リセットのための中学受験

学級崩壊状態で安心して過ごせず欠席。公立中に進まず、校風の穏やかな私立中を受験することを選択。目標ができたことで、塾での勉強には前向きに取り組めました。

Case 15
高2 / 留年

留年決定を機にWebコースへ

出席日数不足で留年が決まったが、同じ学年をやり直す辛さから転学。完全にオンラインで学べる通信制高校のWebコースに入り、自分のペースで高卒資格を目指しています。

Case 16
中2 / 対人恐怖

同世代が怖い、でもお年寄りなら

同級生の目が怖くなり引きこもりに。祖母の付き添いでゲートボールに行くと、可愛がられ居場所に。学校以外の「優しい社会」があることを知り、外出できるようになりました。

Case 17
高1 / 完璧主義

「評価されない」アートの世界へ

テストの点数にこだわりすぎて疲弊。点数で評価されない絵画教室に通い始め、自由に表現する楽しさを知る。心療内科のサポートも受けながら、ゆっくり回復中。

Case 18
小3 / 母子分離

親以外の「信頼できる大人」探し

母親と離れることに強い不安。放課後等デイサービスで、信頼できるスタッフと出会い、少しずつ母子分離が可能に。まずは短時間の外出から練習しています。

Case 19
中1 / 転校

ネットの中に本当の友達を見つけた

転校先の空気に馴染めず孤立。趣味のイラスト投稿サイトで交流を持ち、共通の話題で盛り上がれる仲間を発見。「リアルだけが全てじゃない」と心が軽くなりました。

Case 20
高2 / 帰国子女

「変わってる」が個性になる場所へ

海外生活が長く、日本の「空気を読む」文化に疲弊。英語で授業を行うインターナショナルスクールへ転入。個性を主張することが認められ、本来の明るさを取り戻しました。

Case 21
中3 / 理由不明

家事担当として家族を支える

いじめ等は無いがなんとなく行けない。無理に理由を探さず「家事手伝い」として料理を担当。「家族の役に立っている」という実感が、自己肯定感を支えています。

Case 22
小5 / 発達グレー

少人数制の学校でストレス軽減

集団行動が苦手でパニックになることがあった。公立小から、個性を尊重する少人数制の私立小へ編入。自分のペースで見守ってもらえる環境で、落ち着いて通えています。

Case 23
高1 / 家庭不和

家を出て、自立の道を選ぶ

家庭環境が複雑で家に居場所がなかった。自立援助ホームに入居し、物理的に距離を置く選択を。アルバイトで生活費を稼ぎながら、高卒認定の取得を目指しています。