さて、今回は少し視点を変えます。 主役は子どもではありません。毎日、子どものケアと家のこと、そして将来の不安の間で揺れている「あなた(ママ)」自身の話です。
前回からの繰り返しになりますが、「パパ」編は次回以降に改めます。これからの記事は、ことママが「AI」を味方につけたことによる可能性、未来の展望を語っていきます。
なお、”性差”について固定、また前近代的な感覚は一切ないつもりですが、気に障ったならご容赦ください(ボクもまだまだ勉強中です)
「子どものことで手一杯なのに、自分のキャリアなんて……」 そう思うかもしれません。ですが、不登校という”既存のレールからの離脱”を経験している今だからこそ、親も一緒に「ライフスタイル(どう生きるか?)」が変わる機会なのです。これは古今東西、経験者による振り返りでよく語られることですが、不登校はほぼ確実に、親子の「生き方」や「関わり方」を変えていきます。これは不可避であり……しかし決して「ネガティブ」ではありません(ボクの知る多くの方は、不登校を経験して”よかった”と言います)
もちろん「元に戻る」シナリオもあります。その場合は当サイト以外でご相談いただくとして、ここではできるだけその変化(再構築)が、大胆で未来的であることを願ってご提案していきます。
■ 現在「AI」はちょっぴり女性、かつママの味方
実は現在の「生成AI(ChatGPTなど)」は、実は「女性」、特に「忙しいママ」との相性が抜群に良いと言われています。
こと「家事育児」を、以下のように分けてみます。
- 「定型」労働:ほぼパターンが決まっている単純作業
例:献立決め、買い物リスト作成、学校へのメール、調べ物 - 「定型外」労働:都度発生するパターンや前例、また多く「正解」がない事態
例:子どものケア、トラブル対応など
まずは「定型(作業)」に対して、たとえば調査(2024年)によれば、実際に生成AIを利用した主婦の77.0%が「生活がラクになった」と実感しているそうで、特に「献立(83.3%)」作成などにAIをフル活用されているほど、その傾向が強いようです。毎日の「決断疲れ」から既に多くのママが解放されているのです。
一方で「定形外」について、多く”真綿のように締め付けてくる”独特の逼迫感があります。 正解がなく、マニュアル化できない「心の揺れ」に対応する労働ですが、ここでもAIは、「カウンセラー(壁打ち相手)」として機能し、「悩みを聞いてもらって気が楽になった」という回答が約3割「感情のガス抜き」(27.5%)とのこと。さらに別の調査(「愚痴や弱音を誰に相談するか?」)では、男性の過半数が「人」を選ぶなか、女性は「AI」(特に20代女性では6割)と、改めて女性ほど「AIフレンドリー」な傾向が見て取れる。
これを「AI以前(ググっていた頃)」と比べれば、その解決へのスピード感も(自明可と思いますが)「検索して調べる時間が減った(61.9%)」との回答で、改めて定型、定形外とわず「家事育児の負担を軽減してくれている」のがわかります。
■ 企業のAI導入率は”5-7割”
一方ビジネスシーンでの利活用について、企業におけるAI導入状況は意外とまだ”半数”とのこと(2025年8月調査)。最新の日経調査では「7割」とも言われますが、いずれにせよ「3-5割が未導入」です。
「なぜ使わないのか?」について、同調査では「費用対効果が見えにくい」(44.2%)「知見がない」(25.6%)など並びますが、やはり心理的ハードルが高いか、または懐疑的な様子がうかがえます。
個人的な印象(複数企業での観察)ですが、こと”既定利益を占める既存勢力(要は古くからいるおじさん)”ほど心理的に抵抗があるようにも見えますし、いわく「仕事が奪われる!」など恐怖心すらあるようです。
どちらでもよいのですが、ならば「華麗に使いこなして奪う」
技術的課題と適応課題
少し面倒くさいことを挟むのですが……人や組織が変わるうえで「技術的課題」と「適応的課題」という考え方(ハーバード大学のロナルド・ハイフェッツが提唱)がありまして
- 技術的課題(Technical): 新しいツールやアプリの使い方を覚える
- 適応的課題(Adaptive): そのツールを使って、自分の行動や生活様式を変える
本質的に「変わる/変える」とは、この”適応(意のままに使う)”までがゴールです。
俯瞰してみるならば、「技術的課題」から入り難しく考える「企業」とそのなかの人達に比べ、「適応的」に使いこなし工夫している「市井(つまりママたち)」のその活用度合いにおいては、このように”雲泥の差”があるようにも感じられます。
【戦略編】ママのための「AIxキャリアアップ」の3ステップ
まだ懐疑的だったり、「AIを仕事でなんて難しそう」と思っている”不登校ママ”は、実はスタートラインにおいてかなり優位な場所にいます。 なぜなら、これからのAI時代に求められるのは「技術的なスペック」ではなく、「生活実装力(いかに生活の中で使い倒すか、上記の”適応課題”)」だからです。
では、その優位性をどうやって仕事に変えていくか? キッチンから社会へ。なめらかにキャリアを接続する3つの戦略ステップを解説します。では「スタートにおいて優位!」な女性(ママ)とAIの関係を活かして、ぜひこのまま「キャリアステップ」を前に進める戦略を考えていきましょう。
Step 1:家事育児で「使う」➡「使いこなす」
【「プロンプト」に特化する】
AIは「指示の仕方」により、そのパフォーマンスが全然違ってきます。AIでは指示を「プロンプト」と言いますが、せっかく毎日使うのだから、この方法を少しずつ工夫・改善してみませんか?
たとえば”ググる”ようなプロンプト(キャベツ 豚肉 スピード)も少しこだわって「10分でできるキャベツと豚肉を炒める、手間はかからないが珍しいメニュー」と変えてみます。
実際にやってみたのですが…
ググる:豚肉とキャベツの味噌炒め(回鍋肉風)
こだわり:豚バラと春キャベツのガリバタ醤油蒸し
だそうです(ガリバタ!)。この他にも、時間を”5分”変えたり、また「ガッツリ」を入れたり、「変数」を変えれば結果は大きく異なってきます。
これを毎日繰り返しているあなたは、無意識のうちに「AIにどう命令すれば、欲しい答えが返ってくるか(プロンプトエンジニアリング)」という”使いこなす”感覚(上記のとおり、いま企業が最も喉から手が出るほど欲しいスキル)を身につけていきます。
求められるのは「頭の良さ」ではなく、「試行錯誤の回数」です(幸いにして、AIの良いところは「大失敗」に至らない最適解です)。なにより”自分なりのプロンプト術”まで身に着けてしまえば、もはや「オジリナル」かつ「持ち運び可能」なスキル(ポータブルスキルになります。
まずは家事という現場から、「失敗しても痛くない(そもそも失敗しづらい)安全なサンドボックス(砂場)」で、この指示出し能力を徹底的に磨いてみましょう。
Step 2:家事育児で使いこなした ➡ 仕事で「使う」
PTAのメールが書ければ、仕事は回せる
家事でAIの操縦に慣れたら、そのスキルをそのまま「外(仕事)」へ持ち出します。基本は同じで、「PTA」宛と「取引先」は全く同じ構造、「レシピ」は「引継資料」、「日記」は「日報」です。それぞれ”〇〇風に”と書き加えるだけで、180度違ったアウトプットにアレンジされます。
ただし、このとき「ママ」と”残業歓迎”のおじさんで、圧倒的に違う”感覚”があります。それが「効率性」へのこだわりです。ママは「秒」単位、おじさんは「時間(時給)」です。こと”同じアウトプット”になるなら、早いと遅いでどちらがよいか?は自明です。これが一定の「正解がある」仕事(8割程度)では、AIを”使いこなす”人が圧倒的に有利になります。
Step 3:仕事で使った ➡ 家事育児経験を活かして「さらに」
(AI(IQ)× 不登校経験(EQ)= 最強のキャリア)
最後は、「あなただけ(一次的で具体的)」の「強み(ユニークネス)」を掛け合わせます。
AIを使えば、結局”誰だって”事務作業はじめある程度「考える(IQ領域、ロジック)」こと、および「キレイさ(デザイン領域、人工的)」は均質化されていきます。誰でも速く、また誰でも丁寧になります。では、そこで差をつけるのは何か? それこそが、あなたが「不登校」を通じて身につけてきた”人ならでは”、つまり「EQ(心の知能)」です。
「EQ」とは”非認知能力”のことで、ざっくり言えば”読み書き以外(IQと対照的)の力”です。「人間力」や「生きる力」とも言われ、なかでも今注目されているのが今注目されているのが「GRIT(グリット)」です。
- Guts(度胸):困難なことに立ち向かう能力
- Resilience(復元力):失敗しても諦めずに続ける力
- Initiative(自発性):自分で目標を見つける力
- Tenacity(執念):最後までやり遂げる力
あまり「不登校」を美化するつもりはないのですが、改めてその期間を通して、これほどまでに上記が問われた機会も、そうはなかったはず(GRITは予習&予防的でなく、困難な”経験”を通じて身につくと言われます)。前例も「答え」もないなかでギリギリの「最適解」を探り、粘り強くなんとかやってきた”あなた”には、常人には(もちろんAIも)持ち得ぬ「特集スキル」が宿っている可能性が高いのです。
このとき、「AI(IQの最強)」と「あなた(EQの最強」という”最強のタッグ”が生まれることになります。
・AI(IQ):情報の整理、計算、パターンの生成
・ママ(EQ):顔色、行間、関係値から最適なタイミングを計る共感・直感力
AIの得意と苦手
少し感覚的な話になってしまったので、もう少し分析的に。AIには「得意」も「苦手」もあります。得意で言えば、「既定、かつ定型的(つまり「正解」がある)な対象」であり、また「定形外を”もっともらしく”解釈してみせる」こと。一方苦手なことは「長い関係性(の維持)」、ゆえの「責任意識」(サラッと間違え、重々しく謝りますがもちろん”心”はありません)。またいわんや「情緒情感(人間らしさ)」もしくは「直感」なども苦手です。さらに「触覚」「嗅覚」は、本日現在まだ備えていません。
踏まえてAIが苦手なことで、ママが得意なことで言えば
比べて改めて、ママが得意とすることは以下の通り
・効率へのこだわり
・機微差異(変化)に気づく直感
・人を繋ぎとめ安心させる温かみ
・センスという不文律
・子どもを信じてやり抜く責任感
さてこれらが同じく「パパ」に搭載されているか?と言われれば……いかがでしょう?
■ AIというレバレッジで描く「キャリア・スライド」
これからのキャリアは、階段を「登る(昇進)」ことだけが正解ではありません。 ライフステージに合わせて、働き方を横に**「スライド(移行)」**させるのが賢いやり方です。
- 面倒な作業(IQ領域)は、**「AI」**というレバレッジ(テコ)を使って省力化する。
- 空いた手で、あなたしか持っていない優しさや気づき(EQ領域)を、**「価値」**として提供する。
例えば、在宅でオンライン秘書をするにしても、AIを使えば事務作業は一瞬です。そこで依頼主に「最近お疲れのようですね」と一言添えられるかどうか。 その**「人間らしさ」**こそが、これからの時代、最も高く売れるスキルになります。
不登校は、ピンチです。 でも、そのピンチのおかげで、あなたは「AI」という武器と、「EQ」という盾を磨くことができた。 そう考えれば、この期間は決して停滞ではなく、**次のステージへスライドするための「助走期間」**だったと思える日が、必ず来ます。
中年以降は、今までやってこなかったことが還ってくるインザメガチャーチ
